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ライバル登場⁉2
「島田さん、すみません! 突然押しかけてしまって。この間は本当に、ありがとうございました!」
「わざわざお礼なんてそんな。俺もあのときすぐに気づけたら、もっと早い段階で助けることができたのに、申し訳ないです」
心底済まなそうに頭を下げる先輩に、俺は進んで説明する。
「彼女、星野さんって言います。彼女の勤める会社で、なにかあったからここに訪ねてきたんじゃなくて、こうしてお礼を言いに来てくださったんですよ」
先輩に好印象を与えるべく、わかりやすく話をした俺を見る彼のまなざしは、いつもとまったく変わりなかった。
「そうでしたか、そんな気遣いは無用なのに」
「島田さんのおかげで、あのあとも普通に仕事ができましたし、感謝しかありません。ですのでおふたりに、私からお礼がしたいんですけど……」
「お礼なんてとんでもない。なあ?」
断れよと先輩の雰囲気が物語っているのを察し、後輩として素直にそれに同意する。
「そうですよ。わざわざここまでお礼を伝えてくれただけで、僕らは充分です」
「おふたりに、お昼ご飯を作ってきたんです!」
そう言った星野さんは、椅子に置いてある大きなカバンを手にし、中から結構でかいタッパーを取り出した。
「今日はお天気もいいし、そこの公園でご一緒できないでしょうか?」
強引ともとれる彼女の行動に、僕は不快感を覚えた。まるで先輩と仲良くなるキッカケを作ろうとしているように、どうしても見えてしまう。
「わざわざお昼まで作ってもらって、断るのもなんだし。わかりました、ご一緒しますが、午後一で会議が控えておりますので、早々に失礼します。それでもよろしいでしょうか?」
腕時計で時刻を確認後、迷うことなく彼女の誘いを受けた先輩を、複雑な心境で眺めるしかできなかった。
先輩の優しさがわかるだけに、それが今はやけにムカつく行為に思えてしまう――。
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