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お迎え

龍臣は針葉医院の駐車場に入ると手下を車に残して車から降り立ち 「お前たちはここに控えていろ」 「はい、若」 ひとり、病棟へと向かっていった。 病棟へ辿り着くとあずさをはじめ、ビデオ通話で見たふたば少年、樹医師、紅葉が龍臣を出迎えた。 あずさは龍臣の姿を見るなり、走り出し 「龍臣さんおかえりっ!オレ…オレっお願いがあるっ」 龍臣に抱きつき、お願いをした。 あずさの行動に龍臣は首を傾げ 「どうした?あずさ」 体を少し離してあずさの顔をのぞきこんだ。 すると、あずさは真剣な表情をして叫んだ。 「赤ちゃんが欲しいっ!」 「え…赤ちゃんって…誠哉は?」 「誠哉くんももちろん可愛いけど、そうじゃなくて!!オレ…龍臣さんの子を産みたい!」 「なんか…この3日でたくましくなってないか?おまえ」 「龍臣さん、オレが欲しくなったら種付けしてくれるんだよね?俺の子、(はら)めって言ってたよね?オレ、龍臣さんと番になる!」 「言ったな。覚悟、できたのか?」 「うん。まだ怖いし、痛いのはイヤだ。でも、龍臣さんとオレの子に会ってみたい」 「分かった」 パチパチ 樹医師は手を打ち、祝福した。 「よかったですね?あずさくん」 「先生!?」 驚いてあずさが振り返ると樹医師は微笑み 「逆プロポーズですね?」 「えっ!逆プロポーズって…っうわ…そう言われたらそうだ。なんか恥ずかしいっ」 「愛し合っているのはいいことです。来月が楽しみですね」 「来月?」 「はい。順調にいけば6週目には見えますから」 「何が?」 「あずさちゃんっ!楽しみだねっ」 「え?」 「赤ちゃんだよ、あずさちゃん」 「で。でも…まだシテもない」 「シたらすぐだよ。そうしたらボクも治療、頑張る!」 「診察に来るのを待ってますね、あずさくん」 それまで様子をうかがっていた紅葉は龍臣のそばに寄り 「龍臣くん、あずささんを泣かせたらだめだよ?」 龍臣に釘を刺した。 「うるさいな、紅葉」 「照れてる照れてる」 「ほ、ほら、あずさ行くぞ。誠哉が屋敷で待ってる」 「うんっ」 あずさは3人に見送られ、龍臣の腕に腕を絡めて龍臣の車へと歩いていった

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