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七 二度目の

 射精と同時に、僅かに冷静さが戻ってくる。ハァハァと息を切らしながら、同じく息を切らしている吉永を見下ろす。 (ヤっちまった……。しかも、ナカに出したし……)  呼吸の度に腸内が収縮する。イったばかりの性器がナカで刺激され、再び硬くなる。 (マズイ……)  正直、興奮はまだ冷めていない。行為事態が久し振りというのもある。  慌ててずるりと性器を引き抜く。吉永が「んぁっ」と鳴く。  くそ。吉永だってのに、思いのほか良かった。吉永の方は吉永の方で、多分良かったのだろう。満足そうに瞳を細めている。なんというか、上気した赤い頬と潤んだ瞳が色っぽい。なんだってんだ。相手は吉永だぞ。 「航平……」 「あ?」  内心、ドキリとしながら吉永を見る。吉永は気だるそうに上体を起こして、俺を見上げた。 「うん、イけそうだな。もう一回」 「――は?」  吉永がツンと俺の性器をつつく。ビクッと身体を揺らしつつ、平静を装った。  吉永は脚を開くと、穴に指を這わせた。指を左右にくぱっと開く。俺が放った精液が、穴から僅かに溢れる。 「っ……!」 「もう一回。今度はバックからにする?」 「おい、吉永……っ」 「せっかくの機会じゃん。お前もまだ足りないだろ?」  ゴクリ、喉を鳴らす。淫靡な誘いに、頭がクラクラした。  吉永はごろんとベッドに寝そべって、尻を僅かに上げる。後ろから挿入しろと、腰を揺らす。 「……」 「航平?」  くそ。 (一回も二回も一緒だ)  どうせもうヤったんだ。色々考えたって仕方がない。減るもんじゃないんだし。  行為自体に深い意味などない。吉永はバイブではなく本物の肉棒を挿入してみたかっただけだし。  白い尻を掴み、穴に先端を押し付ける。先ほど放った精液のおかげで、ぬるんと先端が埋まっていく。 「あっ……、ん……」 「……アンタ、何か脚、綺麗だな」 「あは。何か、毛薄いんだよね」  脱毛とかしてるのかと思ったが、そう言う訳ではないらしい。白く丸い尻と、細くしなやかな脚。形の良い綺麗な足だ。 「こっちも、ちょっと薄いもんな」 「あっ、ちょっと」  さわさわと、性器の付け根にある茂みを擽る。吉永が首だけこちらの向ける。触ってイかされたくないらしい。  ぐっと腰を押し進め、奥へと入って行く。精液のせいでぬるぬるするのが、気持ち良い。ついでに言えば、一度射精しているおかげか、先ほどよりは余裕がある。 「っ……、あー、すげ……。ナカ、うねってるし……」 「んっ、ぅ、んっ……」  ずっ、ずっ、と擦りつける。尻と腿がぶつかる度に、ぱちゅぱちゅと音がする。吉永が突くたびに小さく呻く。腰を捻って、快感を訴える。 「あ、あっ……、あ……ん……」 (なんか、吉永の声、ちょっとクセになるな……)  屈服させているような、服従させているような、背徳感がヤバい。 「航平……、ん、あっ!」 「っ! 締めんな」 「あ、あっ、だって……ソコ……、あ、あ……っ!」 「? ここ?」 「ん!」  どうやら、良いところに当たったらしい。裏筋のあたりに、僅かに引っ掛かりを感じる。コレか。わざとそこを擦るように、先端でグリグリと虐めてやる。 「あ! あっ! そんなにっ……!」 「何これ、前立腺ってやつ? マジで良いんだ」 「あ、あーっ、あ、あ……」  吉永の口から、ポタポタとよだれがこぼれる。答えるように、アナルがきゅうきゅうっと締め付けられた。 「っ……」  締め付けに、瞼をピクリと揺らす。吸い上げられるように締め付けられ、イきそうになるのを唇を結んで耐えた。吉永の腰を掴み、大きく打ち付ける。 「ぁっ……!!」  じゅぽじゅぽと音を鳴らしながら、穴を打ち付ける。何度も何度も激しく貫き、吉永はシーツの上に精液を吐き出し、俺は二度目も吉永の中に注ぎ込んだ。

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