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⑨
「そろそろ休憩したら、智久さん?」
「ああ、とりあえずここを片づけてからな。」
和樹との一件があり、ふたり色々と悩んだりもした。
寂しくないって言ったら嘘になるけどね…。
あの場所は、確かに和樹…元カレとの苦い思い出がある一方で。智久さんと運命的に出会い、愛し合った、幸せな思い出もたくさん詰まってたんだからさ。
敢えて留まる選択肢もあったけど。智久さんが、
『思い出なんて、これからいくらでも作ってやる』
そう言ってくれたから。
一念発起、善は急げということで…オレと智久さんは新居へと早々に引っ越ししたんだ。
オレがいるからって、前より広めの新居は。
希望通りのトイレ風呂は別、寝室にゆとりのある物件で。
いうほど特別なものじゃないんだけどさ。
新婚気分でウキウキしちゃってるオレには、キラキラピカピカと…そりゃもう輝いて見えたんだ。
んでもって今日が引っ越し初日なワケで。
引っ越し屋さんが入れてくれた大きな家具以外は、まだ殆どがダンボールの中なんだけど。
有給休暇も取って余裕なハズなのに、智久さんは休む間もなくせっせと片づけしちゃってるから。
とりあえず続きは明日にしたらって、勧めたら…
「新居での初夜なのに、散らかってたら嫌だろう?」
とか…割と真顔で返されちゃったんで。
ロマンチックで濃厚な新居での初エッチの為にと、その後も頑張って片づけして。
結局は疲れ果てて、ふたりで寝落ち。
初夜は次の日の出まで、持ち越しになったのは…
いうまでもないよね?
まあ、その分翌日は、ずっとイチャコラしたんだけども…
というワケで。
オレと智久さんのラブラブ新婚(?)生活は────
『ただいま。』
『おかえりなさい、智久さん。…ねぇ、』
お風呂にする?ご飯にする?
それともこのままベッドで──────…
絶賛満喫中なのでした!
おしまい♥️
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