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第11話 窓越しの女の子

「……暇だ……」 なんだこのドッキリは? 一晩この部屋で過ごしちゃったじゃないか。 そして何も仕掛けてこない。 どうなっているんだ? 食事の中に大量のわさびや、唐辛子を入れてくるとか色々身構えていたけど食事は普通に美味しいし、ネタバラシのタレントが出てくることもない。 毎回メイドが食事を運んできて食べ終われば即片付けられる。 ただそれだけ。 スマホも、テレビも、PCも、タブレットもない部屋が暇すぎだよ。 早くこのドッキリを終わらせてもらいたいぜ。 軽くノックして「失礼します。」とメイドが昼食を運んできた。 イラついた俺はメイドに詰め寄った。 「ちょっと、このドッキリはいつ終わるのかな?いい加減飽きた。家に帰りたいからここから出してくれよ」 「少々お待ち下さい」 メイドは平静を保ちながらドアへと逃げて行く。 「待てって!!」 追いかけたが間に合わず目の前で閉じられる。 ドアを開けようとするけれど、びくともしない。 「一体なんなんだよっ!! 食事ばっかり運んできたって、この部屋から一歩も出てないから腹も減らねーよ」 ドアは諦めて窓に向かうがこちらも鍵がかけられて開かない。 窓の景色から推測するとこの部屋は3階にあるみたいだ。 眼下には沢山の木、木、木ばっかりでかわり映えのしない景色しかない。 その中をかき分けるようにギリシャ神殿を丸くしたような白い建物(?)が見える。 その周りに沢山の人がいて、まるで白い飴にたかっている蟻のようだ。 中でも一際目立つキラキラの服を着ている人物が見える。 あれは、この部屋で見たことある… ラリー殿下だ。 あそこで何をしているんだ? ん?建物から出てきた人達がこっちを見て手を振っている。 誰に振ってんだろ? 急に窓がガタガタと強風に煽あおられ割れんばかりに一斉に鳴り出す。 ガラスが割れたから怪我をする!急いで窓から離れたら、音も風も止んだ。 静かな室内にガラスを叩く控えめなノックが聞こえる。 「?」 いつの間にかテラスのガラス戸の前に綺麗な女の子が立って微笑んでいた。

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