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第83話 お前じゃねえよ ※

魔法学園を水浸しにした大騒動の後、討伐の疲れを癒すために大浴場に向かうことになったが、ここでまたトラブルが発生する。 フェリスが俺を姫抱っこして運ぶと言って離さない。 エイプも自分がやると言っていたけど、すでにフェリスの腕の中に俺がいる。 仕方無くエイプが折れて運ばれる俺の後ろをついて歩いてきた。 目的地に到着するとフェリスの腕から俺をひったくるようにおろして、大浴場のドアの中に放り込む。 「身体を洗うのは私の役目です。ここからのお世話は全て私がいたしますので、オークト様はご自分のお部屋で一人でおくつろぎくださいませ」 「み、神子様、わ、私は今夜……」 「神子様…」 二人の視線が俺に刺さる。 うわ、エイプの顔が笑っているのにめちゃくちゃ怖い。 これはエイプの言うことを聞かないと後が怖そうだ。 「……って事らしいからフェリス、またな」 「み、神子様、と、とろとろは……と…」 「オークト様、神子様を運んで下さり有難うございました」 バンッ!! とドアを閉めると厳重に魔法の蔦でカギをかけてから、アクアクリーンで思いっきり洗われた。 本当にアクアクリーンは嫌いだ。 腹の中が冷たい水を入れられて全身が冷えてぐったりする。 嫌な魔法だ。 ぐったりした俺を抱き抱えて そのままエイプと一緒に入浴する。 プールのような広い浴槽をみると、子供のように泳ぎたくなるけれど、腹が冷えて身体が冷え切っている今は温かいお湯に浸かるだけ精一杯。 「マジで今回は疲れたな」 「大変お疲れさまでした。私が同行することが出来ず申し訳ありませんでした」 まあ嫌なことばかりじゃなかった。 お持ち帰りされるガストーは面白かったな。 「くくく、はははははははっ」 「神子様、なにか楽しいことがありましたか?」 エイプが俺の身体を全身くまなくチェックしている。 「まあな。セプターがどんな顔するか明日が楽しみだ。…んあっ💗馬鹿やめろ、中にお湯が入ってくるっ」 「少し傷があるようなので治療を少し。…現地で滞りなく密契の儀式を済まされて安心しました」 「薬を飲ませるまでが大変だったぜ。まあ、次の日からガストーが身代わりになったから楽だったけどな」 「だから中がそんなに汚れてなかったんですね」 さっきのアクアクリーンが1回で済んだのは精液が少なかったからか。 「ガストーのヤツ、セプターの部屋に運ばれてっただろ?今頃は…くくくくくっ、あの薬凄いなー」 「ええ、幻視薬も原液にしましたから……それでどうやってサオマ様に身代わりをさせたんですか?」 「知らね、いつの間にかガストーがヤラれてた」 「……そうですか」 エイプが抱きたそうにぐちゃぐちゃと治療の終わったケツの中を弄りまくっている。 「あっ💗……ッ……エイプ風呂は終いだ。部屋に行くぞ」 「はい、今すぐに」 風呂からあがるとエイプがいそいそと用意した真新しい服に着替えさせられ、笑顔で俺を抱き上げた。 「エイプ、今すぐ儀式をするぞ。次の勇者は誰だ」 「えっ?! 儀式ですか」 エイプの表情が固まった。 なに驚いてんだよ。 お前じゃねえよバーカ。 お前は他の勇者の儀式のあと絶対に俺を抱くじゃないか。 今やらせるわけねえだろ! 考えたらわかるだろうが。 「…次は弟のノーベン・アルーバが務めることになっております」 「よしノーベンを部屋に呼べ、密契の儀式だ」 「はい…」 エイプは悔しそうな顔をして部屋まで俺を運んだ。 ははっ、ざまーみろ。 なんでもお前の言う通りに出来ると思うなよ。 あと二回だ。 あと二晩で男に回されることから開放される。

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