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第85話 意味ない

「ふわああああああっ、何だか寝ても寝ても寝たりないな。身体が怠すぎる」 俺はベッドの上から一歩も動かず、身の回りの世話はエイプにまかせ、一日中ゴロゴロしていた。 「ずっと討伐続きでしたから身体が疲れているのでしょう。後もう少しです。平和が訪れれば神子様にもゆっくり寛いでいただけますから」 「ふん」 俺はゆっくり寛ぎたくないんだよ。 こんな危ねー所、一秒でもいたくない。 早く家に帰りたいんだっつーの。 ノックの音が聞こえてアルーバ姉弟がやって来た。 「なんでディッセン・アルーバがまた一緒なのです」 「部屋にまたせてる間に誰に盗まれたら嫌だからだよ」 「誰も彼を連れて行きませんよ」  ん? 彼? 誰のことだ? 「こんなに色っぽいんだよ、また連れて行かれちゃうよ。何回も盗まれているんだ。もう二度と盗まれないように一緒にいるんだよねー、ディッセン💗」 「んんん~っ💗はふ💗あん💗」 またディッセンの体を弄り始め脱がしだしている。 「はあー、わかりました。その代わり今日は絶対に神子様と儀式をして下さい。いいですね? ここでディッセンを抱くのはやめて下さい」 「わかりました、フリーレル様」 エイプは二人を睨むと不機嫌に出て行った。 「さて気がのらないけどしょうがないなー。神子様、さっさとやろっか?」 「嫌だ。嫌だノーベン。ノーベンは俺の夫だろ。そんな男抱かないでくれ」 「ディッセン💗」 ぐすぐす泣き出すディッセンを宥めてイチャイチャし始めたから儀式どころじゃない。 「はー、またかよ」 面倒くさい女だな。 お前だって俺に抱かれるのに………あ、今回は女抱けるんだ💗 「おい、グダグダうるさい、もういい。ノーベンは後だ。ディッセンお前を先に抱いてやる」 「「えっ!」」 「なんで驚くんだよお前ら、勇者だろ。どのみち二人共俺と寝るんだ。儀式する順番はどうでもいいだろ」 「嫌だ。ノーベン、俺ノーベン意外となんて…」 「神子様、妻だけはやめて下さい。ボクがいっぱいしますから」 ハァァァ?! 何、こいつらバカなの? 「オイオイオイ、お前ら馬鹿か?俺が喜んで勇者とヤッてると思ってんのか?死にたくないからヤッてんだよ」 なんだよ。その信用していない目は! 「いいぜ。話してやる。この前の討伐でセプターも同じ事を言って儀式を受けなかったんだ。神子の加護がないヤツがどうなるか知ってるか?本来レベルの低い魔物なんか簡単に倒すことが出来るはずなのに、セプターの奴、腕をもがれて死ぬ寸前までいったんだぞ。結局、魔物がうじゃうじゃいる危ない場所で死にかけたセプターと儀式をして、討伐したてきたんだ。俺はもうそんな危ないことしたくない」 「…ボク達がどうなるかわからないじゃないか」 隣でディッセンはコクコクと首を縦に振る。 「そうだな。セプターは強かったから片腕ですんだけどな。ディッセンはどうなんだ?腹を刺されて大丈夫なのか?」 「「!」」 「腕はエイプの魔法でなんとかくっついたが、赤ん坊は複雑に出来ているからな。治せるかどうか知らないぞ」 二人は真っ青になって腹を見つめている。 「それじゃ加護アリかナシか、決まったら教えてくれ。俺は寝る」 本当にマジで身体がだるくて眠い。 「ふわああ」 「………………神子様、儀式ボクがやります」 「……ふーん…」 お前だけ儀式をしたって意味ないってわからないのかよ。

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