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第77話 ルームシェア
そして3月。
合格発表の日を迎えた。
俺たち三人は、第一志望校に合格した。
俺は、国際文化。
ハルマは、医療工学。
タツオミは、難関大の教育学に進んだ。
教育学は先生になるのではなく、教育自体の研究学問だ。
「タツオミ、向いてるよ。」
「ありがとう。俺は、あの勉強会自体も好きだったし、リョウスケへのアドバイスがいい経験になったんだ。やりたいことが見つかって、良かったよ。」
ただ、俺たちや彼女とは離れ離れだ。
「節目には帰るから、そん時はよろしく。」
寂しいけど、嬉しい別れなら仕方ない。
部屋探しはヒビキさんが手伝ってくれた。
カシワギ先輩も含め、四人で内覧する。
「ハルマ……今更だけど……あの時はごめんね。」
カシワギ先輩が謝った。
「もう、気にしてないんで、大丈夫です。むしろ、リョウスケのこと、ありがとうございました。」
二人はちゃんと和解できた。
おかげでいい条件の部屋が見つかった。
流れで旅行の話も進んだ。
「ゴールデンウィークに、台湾で仕事があるんだ。それのついでに、三人も一緒にいかない?」
急に海外旅行の話が出た。
「ホントに!いいんですか?」
「俺の分が会社から出るし、親日家の相手先の屋敷に泊まれるかもしれないんだ。思ったより安く行けそうだな、って。」
海外に行きたい願望がいきなり叶いそうだ。
――――――――――――
入学準備にバタバタが続いて、ようやく入学式直前に引っ越しと荷物の整理がついた。
二人分の部屋自体はあるが、片方に寄せて、片方は自由スペースにした。
「なんか、ハルマの部屋と変わんなくない?」
「うん、リョウスケにとっては懐かしいかも。」
「……エロい気分になる。」
ムラムラが止まらなくて、ハルマをベッドに押し倒す。
ハルマとこうして抱き合うのは久しぶりだ。
満足するまでキスをする。
「それって、毎日でもできるってコト?」
俺は”彼女ができたら毎日エッチができるんじゃないか”という願望成就の兆しを感じた。
「いや……夫婦でも、毎日はしないじゃん……。毎日は……ないと思うよ……。」
ハルマがひいている。
「じゃあ、とりあえず、久々の今日はやるよね?」
ハルマの服の中に手を入れたときだ。
スマホが鳴る。
見ると、カシワギ先輩からの電話だ。
いいところだったのに。
「出ないの?」
「ハルマが出て。」
「俺?」
ハルマは言われた通り、俺のスマホで電話に出る。
「もしもし。ハルマですけど。」
『あ、ハルマ?リョウスケ、忙しい?』
「リョウスケは……」
ハルマがそう言った瞬間にこちょがした。
「あっ!ははっ!やめてっ!」
ハルマが笑い転げる。
『おい!電話越しにイチャイチャを見せつけるなよ!』
「先輩、すみません。何の用ですか?」
スピーカーにしながら話す。
『いいよ。暇ならご飯に誘おうと思っただけだから。末永くお幸せに!』
そう言って、一方的に電話は切れた。
息を切らせて横たわっているハルマを背中から抱きしめた。
「ハルマ、大好きだよ。」
「……俺も。」
ハルマの甘い匂いを嗅ぎながら目を瞑った。
― 高校生編 完 ―
※最後までご覧いただき、ありがとうございました!『大学生日記』に続きます。
※高校生日記の続編、大学生日記を書いていたら、台湾旅行編を書く機会が失われていたので、おまけとして高校生日記の続きに載せました!全3話で、あとで削除するかもしれません。ご興味ある方は、お早目にどうぞ!
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