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オメガとして2
「入れるよ」
一言だけそう言うと、遠慮なく僕の中に入ってきた。
「あぁぁン」
にも関わらず、僕の体はなんの衝撃もなくスムーズに受け入れた。
そして、激しい抽挿に僕の体はどんどん高みへとのぼっていく。
「んン……イくッ。イッちゃう」
「ん。イッていいよ。何度だってイカせてあげるから」
「あぁぁぁ」
僕はあっけなく一度目の精を放った。にも、関わらず、すぐにも次の波がやってくる。
「あ……はぁ。おかしくなっちゃうっ」
「俺も、おかしくなりそう」
いつものセックスとは全然違うセックスだ。こんなに激しいセックスを僕はしたことがない。
「項、噛むよ」
樹くんはそう言うと、がぶりと項に噛みついた。
その瞬間、僕の体内の熱のうねりが変わったのがわかる。それまで、誰でもいいから熱をおさめて欲しいと思っていたが、その瞬間から、僕の熱は樹くんにだけ向かっていったのがわかる。これで、僕と樹くんは番になったのだ。そう思うと涙が出た。
オメガになって樹くんと番になること。それを夢見てた。ベータだった僕がずっと。それが叶ったのだ。
「泣かないで」
樹くんはそう言って僕の涙を拭ってくれた。
「泣いてる余裕あるの?」
そう言って腰の動きを早くした。僕はそれに喘ぎ声しか出せなかった。
「んン……は、あン。あぁ。イク……イッちゃうぅ」
「俺も……イク」
そうして僕は二度目の精を放ち、樹くんは僕の中に精を放った。
その後も僕達は時間を忘れて、僕が意識を手放すまで抱き合っていた。
僕が目を覚ますと、僕は樹くんに抱きしめられて眠っていた。
「おはよ。少しはおさまった?」
「……まだ少しムズムズする」
「やるにしても何か食べなきゃな」
「あまり食欲ない」
「じゃあ、昨日買ってきたゼリー食べる? 俺はお粥食べる」
「うん」
僕は体にあまり力が入らないので、樹くんに持ってきて貰う。
ゼリーは桃のゼリーで、まろやかな甘さが美味しい。
「食べたらポカリ飲んておきな。かなり声出してたから」
「うん。ガラガラ」
僕がそう言うと樹くんは笑った。
「でも、オメガになれたな」
「うん。あんなにずっとホルモン剤注射してもならなかったのに」
「精神的な部分もあるのかもな。どちらにせよ、ヒート落ち着いたら、念の為バース検査行こう」
「そうだね。きちんとオメガって出たら母さんは早まったよね」
「そのときに俺が出会えてたら良かったのに」
「仕方ないよ。小さい頃からずっとやってたんだし」
「今度、お墓に報告に行けばいいかもね」
「そうする」
オメガになったことを報告したら母さんはどう思うんだろうか。僕としてはこのタイミングで良かったと思ってる。それは樹くん以外の人と番にはなりたくないから。僕は樹くんと番になりたいからオメガになりたかっただけです。親不孝でごめんなさい。
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