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40話・隅々まで愛させて *

 あの後、ホテル特有の乾燥した空気に喉をやられそうになった俺たちはベッドから浴室に場所を移した。  熱い風呂から立ちのぼる湯気の中、気持ち良さそうに潤んだ瞳を細める伊咲センパイは最高にエロくて可愛かった。流石に声が響いてしまうため、浴槽に腰掛けた俺の上に向かい合わせの体勢で(また)がってもらった。 「もうちょい口あけて……そう」 「んむ、ん、待って獅堂くん」  キスで互いの口を塞ぎながらの挿入、『恋人』って感じで癖になる。わずかに唇が離れた時に交わす言葉が楽しくて、つい意地悪してしまう。  一度目は性急になってしまったが、二度目はゆっくり時間をかけて丁寧に抱いた。大事に扱えば扱うほど伊咲センパイは可愛い反応を見せてくれる。それだけで俺の気持ちは満たされていった。  浴室内は滑りやすい。座位では思うように動けないので、一旦抜いてバスタブ内で壁に手をつけて背中を向けてもらった。さっきまで俺のものを受け入れてくれていた部分はしっとりと濡れている。思わず身体を屈めて顔を近付けた。 「えっ、ちょ、獅堂くん、なにを」  驚いた伊咲センパイが逃げようとするが、両手で腰を掴んで固定した。そのまま尻に舌を這わせ、後孔を舐める。べろりと周辺をひと舐めすると、伊咲センパイの足ががくがくと震えて体勢が崩れ落ちそうになった。 「ひ、あぁ……そんなとこ、だめ、やだぁ」  湯の中に沈みかけた身体を支えながら更に舐め続ける。軽くつついて刺激をすると、戸惑いの声が喘ぎに変化して甘さが含まれてきた。舌先をねじ込んで体内を舐める。快楽に震える腰をがっちり押さえ込み、しばらく伊咲センパイのナカを堪能した。  舐めるのをやめると、伊咲センパイはあからさまにホッとしたように全身の力を抜いた。上半身を浴室の壁にべったりと預け、俺に掴まれた腰だけが突き出されている状態だ。ふやけるほど舐めまわされた後孔が俺の唾液でぬらりと光っている。辛抱たまらず、勃ちっぱなしのちんこを押し当てて貫いた。 「んっ、く……あぁッ!」  散々嬲られた後だからか、挿入には何の抵抗もなかった。ただ、向き合っている時と角度が違うからか当たるところが変わってくる。それに、いつもより深く奥へと入れそうだった。 「っ……やべ、持っていかれそ」  油断したら意識ごと飲み込まれてしまいかねない。唇を噛んで快楽に流されないよう堪えながら、伊咲センパイの上気した背中に口付けを落とす。 「あ、やぁ、だめっ」 「可愛い、伊咲センパイ」 「もう、ばか。言わないで」  涙混じりの甘い声がダイレクトに股間に響く。俺は片手を伊咲センパイの腰に、もう片方の手を胸元に伸ばして乳首を弄りながら腰を打ちつけた。ぱちゃぱちゃとバスタブの湯が波打ち、熱い湯気が舞う。 「ふぅ、うっ……」  摘んだ乳首を軽く引っ張ると、伊咲センパイのナカがきゅうと俺を締め付けた。絶頂が近い。 「一緒にいこ。一緒に気持ち良くなろ」 「うん、うんっ……!」  抜ける寸前まで引き抜いてから思い切り腰を打ちつけると、伊咲センパイはぶるりと身体を震わせながら達した。びくびくとナカも震えている。 「あ、ああ……は、ぁ……っ」  その刺激で俺も果てた。すぐに身体を反転させ、きつく抱きしめながら唇を貪った。快楽の余韻を残さず吸い尽くすように。

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