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番外編-2
◇◆◇ コルテロ・ツイリー(アルベルト父)
三男のアルベルトが婚姻となった。妻のアレーニアはうきうきとしているが私は気が気でない。なんせ公爵家と今日からは本格的に親族関連に名前を連ねる事になる。
「ど、どうすればいいのだ~」
「うふふ。あらあら。どうもしなくてよいのではないの?いろいろと大変なのはアルベルトで私たち親ではないでしょ?」
アレーニアがにっこりと笑顔でほほ笑む。
「それは、そうだが……」
「うふふ。相変わらず貴方は心配性ね。大丈夫よ。あの子は私たちの子供なのだから」
「しかし……いや、そうだな。困難があっても乗り越えてくれるだろう」
アレーニアに言われると何でもいい方向に転がる気がする。こんな頼りない私の元に嫁いできてくれた妻はとてもかわいく綺麗でいてカッコいい。その妻によく似た三男はきっと自分の手で幸せを掴んでいくだろう。
「その、なぜ君はわたしなんぞに嫁いできてくれたのかい?」
「そんなの決まってるじゃないの。私が貴方を誰よりも幸せにできるからですわ!」
やはり私は生涯妻には頭があがらないだろう。……おそらくサミュエル辺境伯もそうなるのではないだろうか……?
◇◆◇
「サム!すっごいカッコイイよ!僕の旦那様は世界一だ!」
真っ白な支部団長の服に真っ青なマントがひるがえる。サミュエルの男らしい褐色の肌には白が映える。めちゃくちゃカッコイイ!王都の騎士団長が婚姻を機に辺境支部団長に襲名しろと通達と一緒に祝いの品と団長服を送ってくれた。公務が忙しくて騎士団長は式には来れなかったが、来月は王都にて合同訓練があるため、その時に挨拶がてら同行させてもらう予定だ。
「アル。とても綺麗だ。もう誰にも見せたくない」
サミュエルがぎゅうぎゅう抱きしめてくる。嬉しいけど、せっかく作った白いタキシードが皺になっちゃうよ。
「ふふ。ありがとう。ブルーノがデザインしてくれたみたいなんだ」
僕はくるりと回って見せる。白地の生地には透かし模様が入っていて動くときらきらと光る。とても素敵な仕上がりで僕にはもったいないような気もする。
「…………あいつはアルの素晴らしさがよくわかってるからな」
えっと。なんでそんなに悔しそうなのさ?
「次に服を作るときは俺も同席するぞ!」
「ぷっくく。ああ、ぜひそうして。ではサムの服は僕が決めるね」
ふふふと二人で笑いあうと軽く口づけをする。
ワッと周りで声がした。ああ、農家の方々も来てくれてたのか。ちょっぴり恥ずかしいけれど、でも今日は特別な日。だから思いっきりみんなの前でイチャイチャして幸せだってことを見せつけてやるんだ!
「この晴れの良き日にここに新領主さまの婚姻を祝福いたします!」
「アルさま~!素敵っすよ!」
「サミュエル領主様!おめでとうございます!」
「サミュエル様ばんざい!アルベルト様ばんざい!」
「ありがとう皆!僕これからも頑張るからね!」
「我が伴侶アルベルトの居るこの地を今以上に護り抜くことをここに誓う!」
あはは、サミュエルらしい。でもすごく嬉しい。
そうさ。僕らはここから歩いていくんだ!
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