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第15話
※長編版は、砂漠での「僕を処刑してくださーい!」のあたりがちょっとだけ違います(フウルはまだ義母たちが『塩の雨の噂』を流したことを知りません)そしてお風呂シーンには続きがありまして⋯⋯。
『長編版より続き』
「陛下を信じよう——」
フウルは深く湯に浸かって、緑の木々や赤い花をじっと見つめながらそう思った。
口元には自然に笑みが浮かんでくる。こんなに気持ちがいい時間を持ったことは今まで一度もなかった。
「なんて気持ちがいいんだろう⋯⋯」
そのとき——。
湯気の向こうに誰かの姿が見えた。とても背の高い男性だ。こっちへ向かってくる。ガウンを脱ぎ去り足元に落とした。全裸だ——。
——え? もしかして、陛下?
*****
その裸の人物は間違いなくリオ・ナバ国王だった。
——どうしよう!
フウルはパッと両手で首を押さえる。
アルファとオメガは性が違う。つまりそれは男と女の関係に似ていて、裸を見られることはすごく恥ずかしいことなのだ。とくにオメガフェロモンが出る首元の素肌を見せることは、女性が胸をさらけ出すのと同じでものすごく恥ずかしい。
焦っているあいだに、湯煙を透かしても逞しさのわかる姿が、ゆっくりとこっちに近づいてくるではないか!
リオ・ナバ国王はフウルが湯船にいることに気がついていないらしい。南国の木々の大きな葉が邪魔してこっちが見えないのだろう。
——隠れなきゃ!
と思って、キョロキョロと見回すけど隠れるところなんてなかった。
——どうしよう? どうしたらいい? そうだ、潜ろう!
となぜか思ってしまった。大きく息を吸って、湯の中にぶくぶくと沈んでいく⋯⋯。
そのまま息を止めた。
じっと動かないで我慢する。
すると目の前に長い足が現れた。リオ・ナバが湯の中に入ってきたのだ。
王が体を沈める。逞しい腰が見えた、そして⋯⋯。
——うわーっ! これって⋯⋯、これって⋯⋯?
湯の中でゆらり、ゆらりと揺れているのは王の男の部分だった。もちろんフウルにも同じものがついているけど、大きさと長さがまったく違った。
フウルの首がカッと熱くなった⋯⋯。
※このあとはさらなる溺愛の連続(笑)が続きます。もちろんラストはざまぁ展開も! そして本編の後には濡れ濡れエッチなオメガバースエロ短編の『初夜編』と、とってもほのぼの『子育て編』の短編がついています。初夜編のリオ・ナバ王はエロくて、子育て編のリオ・ナバ王は可愛い五歳の息子に振り回されてあたふたしています。脇役のあの人とあの人がくっつきす。
Amazonで『偽花嫁と溺愛王』のタイトルで販売していますので、もしよかったら覗いてみてください。Amazonベストセラー1位(2022.2/2現在)
お読みいただき本当にありがとうございました。
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