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全てを曝け出せる
「あ、あの……その、龍臣さんの大きさがどれくらいかはわからないですけど……その、クリスさんのってすっごくおっきくて……入らないと思うんですけど……」
「――っ!! えっと、それはですね……その、挿入 る前に、団長の指でほぐしてもらうのです」
「えっ、ほぐす?」
「はい。指を一本ずつお尻に挿入 ていって、3本もしくは4本くらい入るようになるまでほぐしていくのですよ」
自分でも直に触れたこともない場所をクリスさんに触れられる上に、中に指を入れてほぐされる……。
しかも4本……。
思わず自分の指に視線を向けてしまったけれど、どう考えてもクリスさんの指は僕よりもずっとずっと大きい。
それが4本……。
本当に入るんだろうかと心配になる。
「あの、それ……ジョバンニさんもしたんですか?」
「えっ……はい。そうですね」
「あの、恥ずかしくなかったですか?」
「恥ずかしい?」
「だって、あんなところを見られて触られるなんて……」
「ふふっ。そうですね……私には元々そういう知識があったというのも大きいとは思いますが、何より、タツオミさんとひとつになれる喜びの方が大きかったですから、恥ずかしさは感じなかったですよ。そもそも、そういうものを全て曝け出せる相手だから、交わりができたのだと思いますし……」
「全てを曝け出せる相手だから……」
確かにそうだ。
今までもこれからもそんなふうに全てを曝け出せる相手はクリスさんしかいない。
そんな相手に何を恥ずかしがることがあるのだろう……。
「トモキさまにだけ話しますが、私は……ご婦人方も含めて、タツオミさん以外の方との経験は一度もないのです」
「えっ? 本当ですか?」
「ええ。成人と同時に団長に引き抜かれて騎士団に入ってから、縁談のような話もいただきましたが団長のもとで働くことに生きがいを感じていましたし、私自身あまり他人に興味を持たなかったものですから、それも大きかったのでしょうね。でも、今思えば、タツオミさんと出会うまで他人に興味を持たぬように何か不思議な力が働いていたのかもしれません」
不思議な力……僕と龍臣さんをここに連れてきてくれたあの不思議な力かな。
それもこれも全てクリスさんが僕たちの世界にきてくれたことがきっかけなんだ。
「あの、龍臣さんと出会って幸せですか?」
「ええ、それはもちろん」
ジョバンニさんは満面の笑みでそう答えた。
その表情があまりにも綺麗でドキッとしてしまう。
「団長がトモキさまとの交わりを急 いている理由はご存知ですか?」
「理由、ですか? いえ、本当の夫夫になりたいから、とかですか?」
「ふふっ。それももちろんあるでしょうけど。一番はトモキさまをもう二度とあちらの世界に行かせないようにするためです」
「それってどういうことですか?」
「これはまだ推測の域を出ないのですが、今回団長の元にトモキさまを迎えることができたのは、ほんの少し体内に残った蜜のおかげだと考えられます」
「蜜、ですか?」
「ええ。団長の話では離れ離れになる前に蜜の交換をなさったのでしょう?」
そう聞かれてあの日のことを思い出した。
確かお風呂場で……。
そうだ、クリスさんの精液が本当に蜜のように甘くて舐めたんだ。
それで、そんなに甘いなら私もってクリスさんが僕の精液を舐めてた……。
「はい! 確かに舐めてました!」
「あれがあったから同じ体液を持つものの元へ呼び寄せることができたのだと団長は考えていらっしゃるのです。ですから、早くトモキさまの体内に団長の蜜を取り込ませたら、二度と自分のそばから離れることがないとそう考えていらっしゃるのでしょう。現に私たちも蜜の交換をした時に、うっすら光を感じたのですよ」
「ジョバンニさんたちも?」
「ええ。タツオミさんはどうかわかりませんが、蜜を交換した時、私には不思議な感覚があったのです。これでタツオミさんと離れることがないと思えるだけで安心しました」
そうなんだ……。
僕だって、クリスさんのそばにいたい。
ここにきてからずっと、僕のそばで待っていてくれていたクリスさんに安心させたいし、僕も安心したい!
「あの、僕も早く交わりたいです!!」
「あ、でも……ご無理は禁物ですよ。トモキさまは回復したばかりですし、団長の体力は本当に化け物じみているので、団長の言いなりになってはいけませんよ。一度だけでも十分効果はありますからね」
そう必死に忠告してくれるジョバンニさんのことを優しいなと思いながら、僕は寝室にクリスさんを呼んでもらった。
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