「わかったらええね……んっぐえ！」 　突然内臓を下から抉られて、庄助の口腔に軽く胃液が逆流した。景虎は、隙も与えず遠慮なく掘り上げ、張り詰めた亀頭で前立腺をまんべんなく潰した。 「あ！　かげっ、カゲ！　やひ、それ、あがっ」 　ダメ押しとばかりに庄助のペニスを掴み、根元の方に少し余っている皮を引き上げると、 「お、わっあ、あっ！　やっ、イク、イぐ……いぎゅっ！」 　庄助の露出した亀頭に被せて思い切り扱いた。身体を硬直させて目を剥き、庄助は絶頂する。瞼の裏に星が散る。びゅくびゅくと精を吐き出し続ける庄助を腹に乗せたまま、景虎はまた腰を動かし始めた。 「あ～～っ、あ゙～～～っ！　イッてる、イッてるからあ゙っ」 　精液で汚れるのも気にせず、逃げようと浮く腰に叩きつける。ばちんという肉のぶつかる音と、ごぽっと胎内からローションが溢れる音が同時に聞こえる。景虎は片手で庄助の腰を掴み、夢中になって掘削した。 「んぐっ、う！　おあ、や……めえっ」 「庄助も教えてくれ。気持ちいいかどうか、ちゃんと言葉にして」 「なんっ……なんで俺がっ！　に゙っい……や、そこっ、そこやああっ！」 　ごりごりと音がするほどに、雁首で前立腺を削られて、喉を反らして喘ぐ。 　イッたばかりなのに、ペニスでの絶頂とは違う種類の、もっと深いオーガズムの予兆が、腹の奥から背筋に、脳に、バケツの中の水をこぼしたみたいに急速に広がる。 「気持ちいいか？」 　余す所なく責められる。イッて萎えてからまた少し勃ち上がったペニスを守るように、慎ましく被さる皮をまた指で拡げられて、庄助は跳ね上がった。 「いひいっ……きもちいっ！　きもちいいからあっ！　気持ちいいから、待って、ま……」 「俺もすごく気持ちいいから、待てない」 　腰を引いて、長いストロークを一気に奥まで叩きつけた。括約筋の輪を抜けて、前立腺ごと直腸の壁を抉りながら、奥深く結腸の手前までぶち抜く。庄助の尿道から、ドロリとした精液が吐き出された。 「かは……っ」 　上からまた胃液を吐いて、庄助は二度ほど咳き込んだ。ぶわっと目に見えるほどの鳥肌が背中と胸に立って、白黒させていた眼に光が戻る。そのあと一瞬遅れて、景虎のものが深く埋まった胎内がびくんびくんと収斂(しゅうれん)する。 　景虎の長くて太い陰茎に膀胱まで圧迫されて、庄助は尿だか潮だかを軽く吹き出した。 「あ……あーっ……、あ……は、あっ！　ほ、おぐぅっ……！」 「気持ちいい」 　景虎はもうとっくに、怪我のことなど忘れていた。深いオーガズムに震えて、言葉も紡げない状態の庄助を、両腕で抱き込んで下から打ち付ける。 　赤く染まる耳に、何度も気持ちいいと吹き込みながら、とんとんとリズミカルに庄助のとろける穴を味わう。 「ぅ゙、あ゙っ……あんっ、あ……あ、ンっ、はああっ、やんっ……」 　甘えた鳴き声が庄助の唇から漏れる。何度もイって疲れてくると、我慢する気もなくなるのか、素直に声を出すようになるのを景虎は知っている。 　まだ理性がある時の、あの獣の威嚇みたいな声も好きだが、強気で口の悪い庄助が、ぐすぐすと力なく泣いて甘えてくるのも、格別の良さがあるなと景虎は思う。 「前立腺にチンポ引っかけてコくから、しっかりケツ締めてろ」 「んな……むっり、あ……、はひっ、んっ！　あ、ン……っ！　や、すご……」 　ガスガスと浅いところを何度も突かれて、密かにナカイキしてしまう。上がったまま帰ってこられない快感に、庄助は怖くなる。どちらのものともつかない汗で手が滑って、うまく景虎にしがみつけない。 「か……げ……」 　直腸の奥に、精液を注ぎ込まれる。身体の中のことなのに、出されたものがどろりと粘ついているのがなんとなくわかる。陰茎と精液を奥へと引き込むような艶めかしい胎内の動きに、景虎は息を呑んだ。 「はあっ……庄助。すごいな、気持ちいい」 「……ぅ、う、しぬ……」 「庄助は？」 　汗でベタベタの額に、景虎が口づけた。 　そのまま前髪を掻き分けて、じっと顔を覗き込まれる。涙と鼻水と、乾いた景虎の精液、口の端には胃液まで付着している。ありとあらゆる体液のついた顔面を、もう見ないでほしかった。 「きもち、い……」 　目を伏せ観念して告げると、新しい涙が庄助の頬を伝った。 「ふふ。思いっきりほじって、もっと“気持ちよく”してやるからな。……何回でも」 　満足気にそう言う景虎のペニスが、腹の中でどくんと脈動するのを感じて、庄助はうんざりした気持ちになった。 　手先の震えはいつのまにか、もう止まっていた。