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冴さんと景さんの会話が終わった後、泣いて今までの疲れがどっと出たのか、冴さんは隣で眠っていた。 「少しサービスエリアに寄ろうか。お腹だって空いてるでしょ?」 「うっす」 サービスエリアに到着し、眠る冴さんを犯さずに飲み物とおにぎりやパン等を購入し戻って来た。 これから先まだ掛かる様で、トイレも済まし車に戻って行くと冴さんは眠そうに欠伸をしていた。 「あれ、起きたのか」 「⋯便所行ってくる」 車から降り、背伸びをして1人行ってしまった冴さん。怒っているのだろうかと思ったが、景さん曰く「泣いて恥ずかしいんじゃない?」と言われた。 「そんなもんなんすかね」 「あの人、人の前で泣く事あんま無いしね。お手拭き有るから、拭いてから食べな」 「あざっす」 貰った手拭きシートで手を拭いては、買って来たおにぎりを食べ始めた。 「これから先、君達は生まれ変わる。大変な事も有るし、自由に何処かに行ったりは出来ないかもしれない。それでも、このまま行く?」 「冴さんが行くのなら着いて行きますよ。それに、憂凪さんや景さん達の願いなら」 「⋯そう」 紫藤日色も黛冴も今日死んだ。 これからは新しい人間として生きて行くのだ。何時これからの生活が脅かされるか分からない。例え、憂凪さんが厳重に情報を守ったとしても何時漏れるか何て分からない。 けれど、これから先生きて償うしか他無いだろう。 例え、相手が犯罪者だとしても犯罪は犯罪なのだ。今まで搾取した命を冴さんと共に死ぬまで償うのだ。

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