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その表情に可愛いと思ったよりも気になることがあった。
姫宮は一人っ子だということ。
だとしたら、兄弟と比べられてオメガを嫌悪しているわけではない。
親がオメガ嫌いだったのだろうか。
前ほどではないが、それでも第二の性に対する差別は根強く、すぐに消えることはない。
ベータである自分は同情していると口ではいくらでも言えるが、根本的には分かってあげられない。
歯痒い。
「今からでもなれなくはありません。あ、そうです! なんなら私が代わりに一緒に寝ましょうか」
「えっ、そ⋯⋯それは、さすがに⋯⋯」
「ふふ、冗談ですよ、冗談。姫宮様が先ほど仰られたように安らぎたい時に慣れない人がいましたら、寝ようにも寝れませんもんね。ですが、姫宮様が寂しくならないような工夫は考えておきましょう」
「⋯⋯ありがとうございます」
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