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ー友情ー34

 それから数日後のある日。  急に望と和也の部屋にある電話が鳴り響くのだ。  和也は何か胸騒ぎでもしたのか、その電話に出るとどうやら電話の相手は和也の知り合いの白井という刑事からだった。  その電話に出た和也。 その瞬間、和也は相手が白井だと分かると声を荒らげ、 「……で、どうだったんだ? 何か分かったのか!?」 『まだ、そんなに詳しい情報ではありませんが、一つだけ分かった事があります。 君の所に入院している桜井さんと坂本さんという二人は親友だそうですが、その坂本さんには一年前に奥さんと子供を火事で亡くされています。 その日、たまたま非番だった桜井さんは散歩をしていたそうなんですよ……それで、坂本さんの家の前を通った時にその坂本さんの家が火事になっていたそうなんです。 でも、火の回りが早くて、桜井さんがその家に行った時にはもう家の半分が焼けてしまっていたそうなんです。 流石の桜井さんも火事現場において見て見ぬ振りは出来なかったそうなんですが、助けたくても流石に装備を付けてないままで入っても自分が犠牲になるだけと思ったのか、どうしようも出来なかったらしいんですよ。 暫くして消防車が来た時にはもう家は全焼してたらしいのです。 その時、近くにいた桜井さんに坂本さんは近付いて『何で、助けに入らなかったんだ!!』と胸倉まで掴んで激怒したらしいんですよね』 「って、事は……坂本さんに桜井さんを脅す動機というのは十分にある訳か」  そうポツリと呟く和也。 「分かった! じゃあ、また、何かあったら頼むなっ!」  そう言って和也はその電話を切ると、望に話始めるのだ。 「そっか! じゃあ、ちょっと、俺さ……桜井さんの所に行って来るなっ! もっと、詳しく聞いてきたいからさ」  望は和也からその話を聞くと白衣を自分の椅子の背もたれへと掛け、雄介がいる病室の方へと向かうのだ。  そして望は雄介の病室にあるドアをノックすると、 「失礼します……」  と静かに言って雄介の病室へと入って行く。 「お! 先生! 今日は白衣姿じゃないんやな」 「まぁな……」 「それは置いておいて」そう望は軽く言うと望は近くにあった椅子へと腰を下ろし、 「なぁ、お前って誰かに命狙われてるんだってな」  望の口から出た言葉に意外過ぎたらしく、雄介は一瞬言葉を詰まらせたが、次の瞬間には真剣な表情で望の事を見上げ、 「な、何で……それを!?」

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