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ー友情ー42
「あ、ああ……まぁ、この前にもこの患者さんには色々あったんだよ。 もう、二回もここに運ばれて来てるしな。 しかも、この事件に関しての事でなんだよ。 だから、前に話をしていた時にこれからもここに何回も運ばれてくるかもな……って話をいてたんだ」
「それなら、吉良先生が桜井さんの担当になられた方がいいんじゃないんでしょうか?」
「……え?」
今まで雄介の方に顔を向けて話をしていた望なのだが、今の言葉に反応し、その新人医師の方へと顔を上げる。
「その方がきっと桜井さんの方も安心出来ると思いますしね」
「あ、ああ、そうだな……ありがとう」
その新人医師に笑顔を向けると再び雄介の方へと向き直る望。
「では、僕の方は失礼しますね。 この事を上に言っておきますから」
「ああ」
そう言うとその医師は病室を出て行くのだ。
やっと二人きりになれた望と雄介。
今までは体に触れるだけだったのを、そっと望は雄介の手を握る。
その医師が行ってしまった後は本当に人の気配すらない病室になってしまっていた。
人の気配がなくなってしまった病室に響き渡ってくるのは生命維持装置の音だけだ。
ちゃんとリズムを刻んで音が鳴っているのだから雄介はちゃんと生きている証拠でもある。
「早く……意識取り戻せよ。 そしたら、今度はもう告白の返事してやるからな」
そう最後に望はそう雄介に向かって言い残すと外科診察室の方へと戻って行くのだ。 もう今日はここに用事はないのだが、まだそこにはちょっとした荷物があるのだから一旦そこへと向かったという事だ。 するとそこにはまだ和也が残っていて、
「やっと、戻って来てくれたかー、ま、後は望の仕事だからさ」
そう言って和也は望に仕事を渡す。
「ああ、これくらいなら自分の部屋に戻ってやっても大丈夫そうだな」
「そうみたいだな。 で、桜井さんの様子はどうだったんだ?」
「あ! そうそう! また、俺等、桜井さんの担当をする事になったからな!」
「え? あの医者がするんじゃねぇのか?」
「そいつが変わってくれるって言ってくれたんだよ」
「え? まさか!? 望と桜井さんの関係を話してしまったとか!?」
「まさか……そ、そんな訳ねぇだろうが……」
その言葉に何故か顔を赤くする望。
「じゃあ、何でそうなったんだよ」
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