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ー記憶ー73
「ええから、ええから……たまには気分転換も必要やからな」
「……って、俺は……そういうのは苦手なんだけどな」
そう言っている最中に、雄介はゲーム機にお金を投入してしまい、望は雄介に付き合い、そのゲームをやることになってしまう。
「ほら、望……それ持ってー!」
半ば強制的に雄介にそのゲームをやらされたが、何故かそのゲームにハマってしまい、二、三回とやってしまっていたようだ。 いや、寧ろ雄介が半ば強制的というよりも、勝手にお金を入れるものだからやるしかないというところかもしれない。 勝敗も五分五分で、望も初めてとは思えないほど頑張っていた。
「もう、ええかな? 流石に疲れたし、暑くなって来たしな」
「そうだなぁ。 何だか久しぶりに夢中になっちまったような気がするしな」
「ほな、暑いし、今ので喉乾いたし、あっこで一休みしようか?」
「ああ、そうだな」
屋上にあるが、デパート内に位置するファーストフード店に入る二人。
そこは屋上内ではあるが、ギリギリデパートの建物に入っているからか、エアコンも効いていて涼しい場所だ。
今までゲームに夢中になっていた二人にとっては、そのエアコンの風が心地良いはずだ。
とりあえず、二人は適当な商品を選び、席に腰を下ろす。
「はぁー、暑かったわぁ……」
「……だな。 なんか俺の方も久しぶりに汗をかいたって感じだったしさ」
そう話している最中に、
「なんか臭わへん?」
「別に臭わないけどな……?」
「俺の気のせいやろか?」
「そうなんじゃねぇ?」
雄介は難しそうな顔をしながらキョロキョロと辺りを見渡す。 だが何か起きているという気配はないようだ。
「気になるんだったら、見て来いよ」
「え? あ、まぁ……そうなんやけどなぁ?」
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