182 / 1471
ー天災ー3
前にも、神様は自分たちに試練を与えていると感じていた。そして今、望と共に幸せな時を過ごしているのに、なぜ神様は彼らをこのままにしておかないのか。そしてなぜ神様は彼らに対してこれほどの試練を与えるのか、理解できない。
そこはもう仕方のないことだと割り切ろう。 それは仕事なのだから、仕方のないことではある。 だが、雄介にとって今の問題は、この事をどう望に伝えるかだ。
こんな動揺した気持ちでは、仕事に集中することができない。 誰かが話しかけても、雄介は完全に上の空だ。
何か考えていても、頭に浮かぶのは望の顔だった。 望のことを考えてしまっているからなのだろう。
今日、雄介は何度もため息をつく。 今はデスクワークだから、まだいいのかもしれない。 しかし、もし現場への出動だとしたら、本当に集中できないかもしれない。 雄介は、さっきの出来事で動揺し悩んでいるのだ。
現場では、人のプライベートな悩みなど待ってはくれない。 雄介がプライベートのことで悩んでいることは、仕事上では本当に関係ない。 とりあえず、そのことについては考えたくない。
朝の出来事を頭から追い払いたい気持ちなのに、なかなかできない。 頭を振り乱しても、思い出してしまうのは、朝の出来事と望のことだけだ。
「くそっ!」
ともだちにシェアしよう!