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ー天災ー99

 雄介は重たい体を引きずりながら、一歩ずつ前へと進み、やっとのことで望の部屋へと辿り着くことができた。  雄介はドアを開けると部屋の中へと入る。  すると三人の方はそんなに疲れた様子はなく、ソファで楽しく雑談をしているようだ。 今はこういう時くらいしか楽しむ時間はないのであろう。 「お! 雄介! おかえりー!」 「も、今日はしんど……」  そう言いながら雄介はソファへと腰を下ろすのだ。  今日はこんなにも体がついていけなかったことを思い出す。 昨日は望のことを考えていて眠れなかったからだ。 「今日も大変だったのか?」 「ああ、まぁなー……」 「そういや、今日朝起きた時、雄介さぁ、朝から疲れたような顔してたけど、昨日は寝れなかったのか?」 「ああ、まぁ……ちょっとな……色々と考え事しておったから、寝ることができんかったんや」  雄介はそう言い、無意識のうちに望のことを見てしまっていた。 「ん? 俺?」 「あ、いや……違う、違う……」 「あ、まぁ……いいけどよ」  そう望が答えていると、目の前にいる和也と裕実がイチャイチャしているようにも見える。  和也は何かと裕実にちょっかいを出し、裕実の方はその度に「やめて下さいよー」と言っている声が聞こえてきているのだから。

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