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ー天災ー117
「望……大丈夫かぁ? まだ、顔色悪そうなんやけど?」
「大丈夫だから」
そう、いつものように素っ気ない返事をする望。 しかし、いつもとは違い、若干微笑んでいるようにも思える。
今回の望の夢での教訓は、雄介が怪我をして入院して欲しいと願っていても、そこは無事でいて遠くに居ても死んでしまうよりはいくらでも会おうと思えば会えるという事だったのであろう。
今日の望はみんなと一緒に会話へと入る。
恋人である雄介とも自然に会話が出来るようになったのかもしれない。 そして夢のおかげでまた一歩雄介との距離が近くになったようにも思えた。
雄介が後どれだけこっちに居られるかは分からないのだけど、その時間を無駄にはしないようにしないとも思ったのかもしれない。
暫く、そこで雑談を交わしていた四人だったのだが、突然院内に放送が入ったのだ。
だがきっとここにだけ流れるようになっているのであろう。
『只今、院長が病院にお帰りになりました。 院内で仕事をしていないスタッフの方々は会議室までお集まり下さい』
「……へ?」
その院内放送に対して一番最初に反応したのは望だ。
そして、
「マジか?」
とも呟く。
その望の呟きはいったいどういう事なんだろうか。
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