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ー天災ー148
「雄介……そろそろ……長……ぃ……」
そう涙目で訴える望。
「あ……え? そうか……」
と最後の方は少しため息混じりで言う雄介。 もう少し、このままで居たいと思っていても、もう確かに望の言う通り終わらせなきゃならないだろう。 そうだ望は仕事をしているのだから、あまり負担は掛けられないと思ったのか雄介は望に笑顔を向けると、
「ほな、終わりにしよ……望に負担そんなに掛けられへんしな」
「え? あ、ぅん……」
別に望はそういう訳で言った訳じゃないのだが雄介がそう思ってくれているのだから、そこは雄介の優しさに委ねようと思ったのであろう。
雄介は望の体をしっかりと抱きしめると、さっきよりも激しく腰を揺らし始める。
こういう事をしている時、こう男っていうのも荒い呼吸を繰り返したりするところも色っぽいというのかカッコいいというのか。
「ぁ……ぁあ! 雄介っ! もう! もうっ!」
「ああ、うん……分かっておるって……はぁ……はぁ……イきたかったらイってもええよ……っ!」
「ぁ……ぅんんっ!」
望はそう頷いたのか、そういう声だったのかは分からないのだが、もう返事とも言えない言葉の後に望の方も雄介の首に回していた腕に力を込める。
「ゆ、雄介……っ……ぁ……いやぁああ! ちょ、ぁ……無理っ!」
二人の荒い呼吸、湯船のお湯の音、雄介が揺れる度に望の皮膚にぶつかる音がこのお風呂内には響き渡っていた。
「ぁ……スマン……俺も……っ!」
そう雄介が宣言すると、どうやら先に達ってしまったのは望の方だったらしい。
湯船の中に望が出した白い液体が広がっていく。
その後に雄介は腰の動きを止めると雄介の方も白い液体を望の中へと放つのだった。
体から完全に力が抜けてしまっている望の体を雄介はしっかりと受け止める。
望の体からは色んな意味で温もりを感じた。
明日からはもう暫くこの温もりを感じる事はない。
それはそれで寂しい事なのだが今回は前回とは違いスッキリしているような気がするのは気のせいであろうか?
きっと前回の時には望に何も告げずに望の前からいなくなってしまったからなのかもしれない。 だが今回はもう数日前に望に帰ると伝えている。 だから、お互いに二人だけの時間を思いっきり楽しめたのであろう。 そうスッキリとしているのかもしれない。
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