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ー空間ー19

「そっか……じゃあ、俺もここに泊まるかな?」 「それは別に構わないんだけどさ、絶対に邪魔すんじゃねぇぞ」 「別に邪魔しようとは思ってはねぇよ。 俺だって疲れてるんだしな、それに、今日に限っては裕実ももうとっくに家に帰ってるだろうし」  和也はそう言うとパジャマを持って、お風呂場へと向かう。  一方、望は和也の今の言葉で納得したようだ。 確かに今日はもう零時に近い。  本当に人間って夢中になっている時というのは時間が過ぎるのが早いんだと思う。 そう手術をしている時なんかは夢中というのか集中しているのだから全然時間というのは気にしていなかった為か望の中ではまだ十八時位だと思っていたらしい。  望は和也がお風呂場に向かうとパソコンのキーボードを打ち始める。  室内にはその望がパソコンでキーボードを叩く音と和也がお風呂でシャワーを浴びている水音だけが聴こえてくる。  やがてシャワーの音は止み望が部屋内でパソコンのキーボードを叩く音だけが響き渡っていた。  和也は望の言う通りの望の邪魔にならないようにとシャワーを浴びた後は寝室の方に向かうのだ。  そしてベッドへと転がると携帯を開いて雄介へとメールを打ち始める。 『確か、お前、今週末にこっちに来ると言ってたよな? それは土曜日になるのか?』  和也がそうメールすると直ぐに雄介から返信があった。

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