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ー空間ー21

 とりあえず望はキリがいいところで切り上げるとパソコンと今までの疲れと両方目にきているのか少し眼鏡を外し瞼の上を押さえながら眼鏡を机の上へと置く。  そして流石に今日は手術は長時間立ちっぱなしで、しかも部屋に帰ってきてからはパソコンと疲れてしまっていた望はそのまま机の上にうっ潰すとそのまま夢の中へと落ちていくのだ。  次の朝七時半にセットしておいた目覚し時計が鳴り響く。  まず、それに気付いたのは和也だ。 今日は思った以上に和也の方は睡眠はとれたのかアラームも音で目を覚ました和也は目覚し時計を止めて下へと降りて行く。  そこで和也はある事に気付いた。  確かに今自分の目覚し時計は止めた筈なのだが何処かでもう一個鳴っている。  確か以前もこんな事があったような気がする。 だからこれは望の目覚し時計の音だろう。  和也は望の事を起こそうと下へと降りたのはいいのだが、そこには望の姿はない。  和也は不思議そうに辺りを見渡す。  昨日は望と一緒にこの部屋に帰って来ている筈だ。 だけどベッドに望の姿はない。 しかも望は昨日この部屋に泊まると言っていたのだから帰った訳ではなさそうだ。 現に望のコート等はコート掛けにあるのだから。  そして周りを見渡した後に和也の視覚に望の姿が入って来たようだ。 「あ……」  望は机の上に頭を置いたまま寝ていたらしい。  和也は望のその姿に息を吐くと望の目覚し時計を止めて望の毛布を一枚手にすると望の肩から掛ける。 その間、和也はシャワーを浴びにお風呂場へと向かうのだ。

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