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ー空間ー124
なんとか平常心を保とうとするのだが、どうしても声は裏返ってしまう望。
どうせなら、このまま雄介が望の事を引っ張ってってくれれば今日の望はどうにか雄介に付いていけそうな気がしているのであろう。
そう望は洋服は脱がしてもらったものの未だに脱衣所から動く事が出来ないようだ。 そんな望に気付いたのか雄介はお風呂から顔を出すと望の手を引いて雄介は望の事をお風呂場へと引き込む。
そして雄介は望の後ろから肩へと腕を回し望の体を抱き締める。
「な、望……。 確かにな……和也のノリでここに来てもうたけど、もし、望が嫌って言うんやったら、無理せんでもええからな」
そう望も後ろからはそう優しく低く、そして甘い声が聴こえてくる。
それだけでも望は体をビクリと反応させてしまっていた。
口では何とでも言えるのかもしれないのだが身体の方は正直なのかもしれない。
きっと今の望の行動で雄介はの望の事が分かったのかもしれないのだが今日の雄介は望の素直な反応を聞きたいのか、その後は何も言わないでいる。
「もう……いいだろ? 俺の事分かってるんだろうし」
「ん? 全然……俺には何も伝わってへんけど……? 今日はもうちゃんと口で言うてくれると嬉しいねんけど……?」
そして、また雄介の甘い低い声が望の耳にも響いているようだ。
もう、それだけでも今の望は甘い吐息が出そうになっていた。
だが意地悪なのか? 本気なのか? 今日の雄介は望から何か言わないと動いてくれないらしい。
望はそんな雄介に気付いたのか望はひと息吐くと雄介の方へと向き直り望は雄介の後頭部に両手を回すと額と額をくっつける。 そして意を決したように、
「あぁ! もう、分かったよ。 俺はお前にしか抱かれたくないんだからな……だから、今日は俺の事を抱いていい……その代わり、今日はお前がリードしろよ。 何を言われようと俺はお前の指示に従うからさ」
これが今、望からしてみたら雄介への精一杯の言葉だったのであろう。
「ああ……今の気持ちだったら、よく俺にも伝わって来たわぁ……ほなら、身体洗ってからベッドに行こか?」
そう笑顔で言う雄介に対し望の方も頭を頷かせる。
それから雄介はシャワーからお湯を出すと二人はシャワーを浴び始めるのだ。
確かにこういうところのシャワーというのは水圧は強く出来ている。 だが男二人分をカバーするような水圧ではなかった。
雄介の方は少しでも望に温かいお湯が掛かるようにと望の方にシャワーヘッドを向ける。
そして雄介は手にボディーソープを付けると先ずは望の背中へと手を滑らせ、ゆっくりと望の身体を洗っていくのだ。 先ずは背中を洗い流し次は胸やお腹を洗っていく。 手や足も洗うと最後に望のモノも洗っていく。
流石に一人でもやってなかったせいなのか他人に触れられただけで、いや恋人に触れられただけで望のモノは硬くゆっくりとではあるのだが勃ってきていた。
「ぁ……ちょ……ぁあ!」
久しぶりの人の温もりに思わず声を上げてしまう望。
「……ったく、自分でシておらんかったやろ?」
「あ、ああ……まぁ……なっ! 仕方ねぇじゃん……そんな暇がなかったんだからよ……っ」
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