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ー空間ー176
望が今どんな状況にいるか分かっているからだ。 今の望を一人にはさせたくない。 さすがに自殺を考える人間ではないのだけど、誰かが励ましてやらないと精神的にやられてしまう可能性だってあるからだ。
だが、もう和也はネタが見つからないのか、間が空いてしまっている。 本当にこういう時に限って話のネタが見つからないものだ。
すると、それに気付いた裕実が電話に出てくる。
『望さん! 大丈夫ですか?』
「あ、ああ……まぁな……」
『帰ってきてからでいいので、僕は望さんといっぱい話してみたいです。 確かに今まで望さんとはお時間がなかったのであまり喋れませんでしたけど、今日のことで望さんがどんな人か分かったので、和也さんのことについて詳しく望さんの口からお聞きしたいと思ったのでね。 だから、今度二人きりで何か話しませんか?』
そう裕実は明るい話題を望に振るのだ。
「ああ、そうだな……分かったぜ。 和也のことなら、お前に話しておきたいことがたくさんあるからさ……まぁ、敢えて言うなら、和也は下ネタが好きだってことかな?」
『へぇー、和也さんって元からそうだったんですかぁ? まぁ、今もそうですけど、では、和也さんのことは下ネタ王とでもしておきましょうか?』
「……だな」
望と裕実は電話をしながらクスクスと笑っていたのだが、こうも公共の場で下ネタとか言われると、さすがの和也でも恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にしてまで、
『お、おいっ! ちょ、電話貸せって!』
そう和也の声が電話越しに聞こえてくる。
すると、望は処置室の近くで電話をしていたので、処置室のランプが消えたのに気付いて慌てたように、
「あ! ちょっとごめん! 雄介の方の処置が終わったみたいだから行くなっ!」
『ああ、おう!』
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