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ー雪山ー22

「せやろ? 俺は望に冷たい事言われても望は反対の事を言ってるっていうのは知ってるしな。 そこは、もう、気になんない位にはなってきておるけどな」 「ぁ……」  望は小さな声でそう言うと雄介の事を見上げる。 「その顔はそうやって、事やろ?」 「なんだ、知ってたのか……」 「気付かない訳ないやんか、せやけどなぁ、たまには望の口から『好きや』とかって言って欲しい時だってやるんやからな……そこだけは覚えといてな」  望の方はその雄介の言葉に微笑むと雄介の肩へと両腕を回し、 「なら、今日は俺が甘えたい気分だ。 だから、お前に抱いてもらいたいんだよ」 「ああ、分かっとる」  雄介はそう言うと望の頭を撫でて額へとキスを落とす。  いつもなら望がそこで悪態みたいなのを吐いてくる所なのだが、今日はどうやら大人しく雄介からのキスを受け入れていた。  雄介はキスをしながら再び望をベッドに寝かせる。 「今日は色々と横に逸れまくっておったな。 話が脱線していったっていうんかな?」  そう雄介は独り言のように呟いていたのだが、 「しょーがねぇだろ? 今日はお前の方が拗ねっぱなしで、俺の方がそれを宥めてたって感じだったんだからよ」  そう言いながら望は雄介の腕を自分の方へと引くと唇を重ねる。 「しゃーないやんかぁ、俺だって、そういう時があるんやし。 せやけど、今日は望のおかげで機嫌の方が治ったようにも思えるわぁ」 「なら、良かったんじゃねぇの? これで、気持ち良く俺の事抱けるんだろ?」 「ああ、まぁ……今日は望の事、よーく、分かったし、今日はないっぱい望の事愛したるからな」  雄介は望の耳を舐めると望の方はピクリと体を反応させる。 「ああ、雄介……好きだからな」  その愛しい言葉に雄介は微笑むと、 「ホンマ……今日の望は素直なんやな。 いつも以上に愛したくなってきたわぁ」  雄介は今度、望の額へとキスをする。 「……ん」  そう望は直ぐ様くすぐったそうな声を上げるのだ。 「当たり前だ。 お前だからな……」  そう言っている望。 「これが、他の奴なら、今頃殴ってる所かもしれねえぜ」 「こんな細腕で殴れるんか?」  雄介は望の手を取ると指先を丁寧に舐め始めるのだ。 「ん……」

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