「ん？　せやな……最近はこうイチャイチャするだけで十分やねんけど……」 　雄介はそう言うと望の耳側で、 「望はそれでもしたいん？」 　と言うのだ。 　その恥ずかしい問いに雄介の息も掛かったという事もあってか望は体をビクリとさせ耳までも真っ赤にさせている。 「……今日はだな……そういう気分なんだって……さっきから言ってるだろ？」 　何で今日はこんなにも素直な言葉が望の口から出てくるのであろうか？ 　だが雄介の方は普段は口にしないような言葉に逆に安心しているようだ。 「望……。　今の言葉ホンマ素直に言って来たって感じがしてきて、俺の方も安心したわぁ……なぁ……ホンマに俺は望の事……愛しておるから……」 「俺も……だからな……」 　望はそう言うと、うつ伏せの状態から仰向けになると望の上に乗っていた雄介は当然、望の上から落ちる訳でベッドの上へと転がっていた。 「ちょ、いきなり何すんねん！」 　雄介が軽く冗談ぽく怒っている様子に望の方はけらけらと笑い始める。 「笑ってるって事は……わざとやったっていう訳やんな？」 　雄介は望がわざとやっていたという事に気付くと冗談ぽく怒り未だに笑ってしまっている望の体へと引っ付くのだ。 　そして仰向けになっている望の体を抱き締めると、 「もう、望……笑うなや……」 　そう言って雄介は真剣な眼差しで望の瞳を見つめる。　望もそんな雄介に気付いたのであろう。　笑うのをピタリと止め息を飲むと雄介の事を見上げる。 「いきなり……どうしたんだよ……」 　何も答えてこない雄介に対し望は首を傾げてしまっていた。 　そして雄介が今している行動に何となく気付く望。 　こうやって雄介に無視されるのは何となく嫌な感じがする。 「雄介……？」 　望はそうもう一度雄介の名前を呼ぶのだが、やはり返事をしない。 　本当にそんな雄介に不安になってくる望なのだが雄介はそれを察したのか望の唇へと唇を重ねるのだ。 　不意打ちのキスというのはいつもと違う感じがするのは気のせいであろうか？ 　それに何だか心配してたからなのか、いつもより甘く感じるのかもしれない。