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ー天使ー115

「せやんな……」  そう雄介は優しい笑みをし言うと布団の中へと入ると望の体を抱き締める。  そんな雄介の行動に望は雄介とは反対側を向きながらも笑みをこぼしていた。  それから朝になると二人は目を覚まし、いつもと変わらない太陽が雄介や望の顔に差し込み二人を闇の世界から起こしてくる。 「なんや……もう、こないな時間か」  雄介にしては珍しく、いつもより三十分前に起きれなかったらしく今はもう望がいつも起きる時間となっていた。  雄介がフッと気付くと雄介の方に顔を向けている望に気付く。 「お前にしては珍しいよな」 「せやな。 何で今日はこないギリギリに起きてまったんやろ?」 「ま、いいんじゃね? たまにはゆっくり寝た方がさぁ」  望は伸びをしながら起き上がると、ドアの前に琉斗の姿に目を丸くする。  そう昨日の夜、雄介に抱かれていた望。 しかも寝る直前に雄介が上半身裸で寝たいと言われて今はその状態である。 「ね! 何で裸なのー?」  子供というのは大人と違って思ったことを口にしてしまうもんだ。  裸といっても下は一応下着は履いているのだが。  その琉斗の質問に雄介も上半身だけを起こす。  そして望は雄介に向かい小さな声で怒っているようだ。 「どうすんだよー! お前のせいで琉斗にこんなこと聞かれてんだから、お前が責任取れよなぁ!」 「分かっとるがなぁ」  雄介は一息吐くと、 「せやなぁ? 昨日は暑かったから、二人共、服脱いでまったって事やって。 琉斗やって、暑かったら服脱ぎたいやろ?」  その雄介の言い訳に望は溜め息を漏らす。 確かにそうではあるのだが、琉斗は雄介のその言葉を理解してくれているのであろうか。  急に琉斗は大人しくなると、 「うん! 分かった!」  とだけを返す。  しかし本当にあれだけで琉斗は理解したのであろうか。 そんな琉斗に望の方は頭を傾げてしまっていた。 「望……望がそないに悩むとこやないんやで……。 子供ってのは大人とは違い単純なんや、ほんで、素直ってとこやな……嘘を見破る力もあらへんし、純粋なんや……だから、大人が言う言葉を信じてくれるっていうんかなぁ?」

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