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ー決心ー18

「は、恥ずかしいから……そんなこと言うなよ」 「せやかて、さっき望が言うてくれたやろー? せやから、今日は俺がしたいようにやらせてもらからな」 「はぁ!? ちょ、それって、どういう意味だよ?」  真っ赤な顔をしながらも望は雄介に尋ねる。 「さっき望が言うてくれた通りって意味やって。 いつもより押しが強い俺で行くって意味やで……」 「あ、まぁ……そういう事なんだろうけどよ」  いつもとは違う自分でいくと宣言した雄介。 今の望にはちょっとした不安と期待が入り混じり、どんな顔をしたらいいか分からないようだ。 「どないしたん? そんなに複雑そうな顔して」 「あ、いや……雄介がそうしたいんなら、俺は別に構わねぇんだけどさ、なんか、押しが強いお前ってのが想像出来ないっていうのか……あ、いや、なんでもない! お前が……そう決めたんなら、俺は何も言わないっていうか……」  そう慌てたような不安そうな感じで言う望。 勿論、視線を逸らしてだ。  そんな望の様子に悟った雄介は、 「安心し……別にいつもの俺と変わらんやろうし」 「だから、それじゃ……ダメっていうのか」  望はどう答えたらいいのか、分からなくなっているようで、望自身もそんなに言葉では押せるタイプでもない。 「分かっとるって……大丈夫や。 望が心配するようなことはせぇへんから」  そう優しく微笑む雄介に望は安心したのか一息吐く。 「ホンマ……和也にも姉貴にも、俺のそういう性格を見抜かれてたとは思わんかったわぁ」 「まぁ、お前のお姉さんはお前とは小さい頃から一緒だから、お前の性格とか分かってるのは当たり前だけど、和也はやっぱ凄いよなぁ、あんな能力どういう風に身につけたんだろうなってさ」 「ホンマやぁ。 人間分析能力が凄いっていうんか」 「ホント、アイツにとって今の仕事は合っているのかもしれねぇな。 まぁ、親がそうだったっていうから、やっぱ、遺伝子の問題でもあるのかな?」 「ま、確かに……遺伝子ってのはあるのかもしれへんなぁ。 望やって、そうやんか……」 「そう言うお前だって、そうだろ?」 「確かに、消防士の方はそうかもしれへんけど、医者の方は遺伝ではないやろな?」

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