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ー決心ー41
そう、裕実は何かを考えているのか、天井の方に視線を向けていたが、いきなり望の方に顔を向け、
「望さん! 僕が新城先生と診察室で患者を診てますよ。 和也は望さん達と一緒に行動した方がいいと思ったんですよね。 和也の知り合いに警察の方がいらっしゃいましたし」
「確かに、和也の知り合いに警察官はいるんだけどさ……白井って言ったかなぁ? 悪いけど、アイツは和也の言う通りに使えないんだよな」
「そうだったのですか……でも、和也が居た方が何か役に立つかもしれないので、僕は和也と交代してきます!」
「でも、お前、昨日から仕事してなかったか?」
「大丈夫ですよ! 僕、この仕事好きですから、疲れてませんしね」
裕実はそう言うと、私服に着替えていたものの、制服へと着替え診察室へと向かう。
裕実が行った後、雄介と望は部屋へと入ると、
「しかし、お前等は仕事に魂を注いでおるっちゅうんかなぁ? 昨日から病院で働いておるのに、まだ、頑張れるってのが凄いわぁ」
「まぁ、いずれはお前もそうなると思うけどな。 とりあえず、今は歩夢の方を考えねぇと……親父はしばらく手術室から出て来れねぇだろうし」
「せやな」
雄介と望はソファへと腰を下ろしたと同時に、望の部屋のドアが開く。
「裕実と代わって来たよ。 まぁ、新城と一緒に居るよりか、望達と一緒に居た方がいいけどさ。 だけど、誘拐に関して、知識があるって訳じゃないからな」
そう言いながら和也もソファへと腰を下ろす。
「なぁ、歩夢が誘拐されてから、ここや家に電話掛かって来たのか?」
「多分だけど、まだ掛かって来てねぇかもしれねぇな」
「あ! せやせや! 望が誘拐された時は犯人から、早くも院長に電話があったみたいなんやけどな」
「だけど、今回の誘拐犯と俺を誘拐した犯人とでは違うかもしれないしさぁ。 俺の時は誘拐して身の代金の要求が目的だったんだろ? 後は病院の跡継ぎになりたかったらしいんだけどな。 だけど、今は誘拐したからって、身の代金目的じゃない場合もある訳だしよ」
「ま、せやな。 殺人目的とかな」
「そういうことだよな」
「とりあえずさぁ、まずは警察に電話するべきなんじゃねぇの? 俺達がここで話をしてるだけじゃ、歩夢を助けることは出来ねぇ訳だしよ」
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