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ー決心ー44
「多分、ないかと思うんだが……?」
「多分ってなんだよ。 ってことは、何か心当たりがあるってことだよな?」
裕二は望の問いに黙っていたのだが、
「そうだね……この事は君にも話しといた方がいいのかもしれないな」
裕二は顔を上げると、話を始める。
「他の病院がうちの病院を追い出そうとしてる!?」
「そうなのだよ。 それで、息子達が誘拐されてるんじゃないかと私は思うんだがね」
「って、そんな話、今まで聞いたことねぇぞ……」
「小さい頃は幼なじみで、大学を卒業した頃から、アイツが私に敵対心を持ち始めたんだよね。 それに、二人共、病院も親から受け継いできた。 だけど、アイツの病院は今は患者が減りつつあるらしいんだよ。 アイツの病院と私の病院はそんなに離れてはいない。 それで、私が考えた医者と看護師のコンビ制度と男性が働いている制度をしたことで、沢山の患者を増やすことが出来たんだけど……どうやら、それで、アイツの病院の患者までも私の病院に来るようになってしまい、それで、更に恨みをかってしまったのかもしれないなぁーってね」
「それで、俺を誘拐して身の代金要求をして、歩夢を誘拐して今度は何をしようとしてるんだ?」
「きっと、私を精神的に陥れようとしているんじゃないかな?」
望は溜め息を吐くと、
「なら、俺等の為に小さな病院を作るのを諦めた方がいいんじゃないのか? そんなのを作ったら、また、恨みを買うんじゃねぇのか?」
「いや……君達が心配する必要はないよ。 これは私の問題だからね」
裕二はそう言うと、望の方へと顔を向け、
「私はちょっと用事があるから、病院を出てしまうけど、後のことは望に任せるよ」
それだけを言うと、裕二は部屋を出て行くのだ。
「望の親父さん……もしかしたら、さっき言っていた病院に行くのかもな。 話をつけに……」
「もしかしたら……じゃねぇよ。 行ったんだよ」
「ってことは……やっぱ、歩夢や望のことを誘拐したのは、親父さんの幼なじみってことなのか!?」
「その可能性が高いってことだな。 まぁ、前の誘拐犯は捕まえたが、首謀者は捕まえてなかったってみたいだな」
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