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ー決心ー83

「俺はやなぁ。俺も初恋の人は望やと思うで……」  雄介は少し考えると、 「いや……望やわぁ。消防学校の時に付き合ってた奴は向こうからやったしなぁ。ホンマに望には一目惚れやったんやって!確かに、最初の頃は望んこと女性だと思うとったけどー。ほら、あん時は体が痛くて、意識朦朧としてる中で、しかも、望もマスクとかしとって目だけしか見えてなかったしなぁ。後から男やって聞いて、ホンマにビックリした位やしなぁ。そんでも、俺は望のことが好きになってたんやって……」 「そうだったんだ。なら、二人共、初恋の人と一緒になれたって訳だな」 「そういうこっちゃな」  雄介は笑顔になると、 「ごちそうさまでした」  それに続き望も『ごちそうさま』と言い、二人はほぼ同時にご飯を終わらせる。 「ほな、風呂入るかぁ?」 「あ、うん……そうだな。俺、パジャマ取って来るな」 「ああ、おう!」  今日は何故か望にしては素直なような気がするのは気のせいであろうか。 「ま、ええかぁ。素直な望もな……そろそろ望が素直なとこに慣れないとアカンよなぁ」  雄介は独り言を漏らし、何だか嬉しそうに微笑む。  そして望は直ぐに二階から降りて来るのだ。  だが、まだリビングに居る雄介に気付き、 「まだ、お風呂に入ってなかったのかよー」 「あ、ああ、ちょっとな……ボッーとしとったんやって。さて、今日は疲れたし、風呂入って寝ようや」 「そうだな。久しぶりにあんなに動いたから俺も疲れたしな」 「でも、イチャイチャ位はええねんやろ?」 「ぁ……まぁ……おう……」  そんな望の返事にクスクスとしながらも雄介はお風呂場へと向かう。  いつもと同じように雄介は先に浴槽へと入ると、その後に続くように望もお風呂場へと入って行く。 「な、雄介……。学校では友達とか作らねぇのか?」 「んー?どやろ?なんやろな?俺って、みんなより十歳も上やんかぁ、せやから、話とか合わんと違うかなぁ?って思うとるしな。別に一人でおってもええと思っとるし。せやから、特に友達を作ろうってなんて思ってな。俺は和也や裕実が居れば十分やと思うとるしな」

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