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ー決心ー118

「な、望……やっぱり、物足りないねんな……ホンマにダメか?」  そう寂しそうに聞く雄介だが、望の答えは一向に変わりそうもないようだ。  部屋内には望が雄介のモノを舐める音が鳴り響くだけで後は静まり返っている。  雄介はただその音を聞いているだけで暇と言えば暇な状態である。  やはり、これだけというのか雄介がマグロの状態では何か物足りないようだ。 そういつもなら、今頃、雄介が望のことを舐めたりしている頃なのに雄介は腕を怪我している為、今は望にしてもらっている側である。  確かに気持ちいいのだが、雄介はボッーとしているしかなかった。  そして突然、雄介は起き上がると、望の体をシーツの波の中へと落とす。  雄介の力であれば片手一つで望の体をベッドの上へと落とすのは簡単な事だ。 「やっぱ、スマンな……我慢出来んようになってきたんだわぁ。 望、ホンマにスマン……力任せにこないことして……」  雄介は本当に悪いと思っているのか、切なそうな表情で望のことを見つめるのだ。  望はそんな雄介の表情に一つ溜め息を吐くと、 「せっかく、今日は俺がリードしようって思ってたのによ。 もう、これから、こんなことはないかもしれねぇぞ……それでもいいのか?」 「ええよ。 それを俺が望んでおるんやからな。 これからもずっと俺が望のことをリードしたいと思うとるし、それに、アカンねんって……こうジッとしていることがな……どうも、我慢出来んようになってくる。 今日は望がせっかくリードする言うてくれたのにゴメンな……。 やっぱり、怒ってまうか?」  そんな雄介に望は再び溜め息を吐くと、 「怒ってはねぇけどよ」  そう言葉を詰まらせる視線を雄介から反らせる望。 「怒ってあらへんけど……何?」 「今日はせっかく、俺がリードするって言ったからさ」  望は体から力を抜き雄介から完全に視線を外してしまう望。  流石の雄介もそんな望の様子に気付かない訳がないであろう。 だが雄介の場合こんな空気を打破することは出来ない性格でもある。  望は仕方ないような表情で再び雄介に視線を合わせると、 「雄介の気持ちはよく分かった、もう、そんなに落ち込むなよ。 だからさ……」  そう望は言うと、雄介の唇へと唇を重ねるのだ。

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