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ー平和ー57

「確かに、そやね……サプライズ的に和也の誕生日を祝うとしたら、俺まで追い出される理由が分からんしな」 「そうだろ? ま、考えても答えは出ねぇ訳だし、今日は仕方ねぇから、望達から連絡が来るまで俺達は外で時間を潰すしかねぇみたいだから、これからどうするかぁ?」 「んー……って言われてもな。 和也と二人でデートってのがなぁ」  雄介は少し不服そうに溜め息を漏らす。 「確かにそうなんだけどさ、時間潰す為にはどうしたらいいか? 何か、どっかに行きたいとかってのはねぇの?」 「せやね。 特にはないんやけどなぁ?」 「じゃあ、無難にカラオケにしとくか……。 雄介、カラオケは平気だろ?」 「せやね……久しぶりやし、カラオケにしとくわぁ」 「じゃあ、カラオケでいいな」  和也達はそうと決めると、カラオケ屋へと向かう。  その頃、裕実達は望の家で話をしていた。 「望さん! まずは材料を買いに行きましょう!」 「ああ、そうだな。 まさか、この俺が雄介の為にチョコを作るなんてこと思ってなかったな。 ま、裕実から『バレンタインのチョコを作りませんか?』って言われるまで、俺は雄介にチョコを上げたことがなかったけどさぁ」 「それ、本当ですか? 望さんって、本当に雄介さんのこと好きなんですよね? それなら、何で雄介さんにチョコを渡さないんですか?」 「え? あ……そりゃ……」  裕実にそこまで突っ込まれて望は返す言葉がなかったのか頭を掻きながら少し考えているようだ。 「本当に望さんは雄介さんのことが好きならば、絶対にバレンタインにチョコを上げるべきですよー。 じゃなきゃ、恋人同士とは言えませんからね」 「あ、ぅん……だけどな……」 「だけど……じゃありませんよ。 本当に望さんが雄介さんのことが好きならば、バレンタインの日には毎年上げるべき日ですよ」 「そうなのかもしれねぇが……なんだろうな。 俺には……その……イベント事に興味がないというのか……」 「じゃあ、これからはやってあげて下さいね。 きっと、雄介さんだって喜びますから。 だって、その為に今日、こういうこと企画したんですからね」

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