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ー平和ー61
和也や雄介がいないことに気付いた朔望。 朔望からの質問に、望は雄介の為にバレンタインのチョコを作る為に、雄介達を家から追い出したということを言わなくてはいけないと思ってしまったのだから、完全に視線を宙に浮かせてしまったのであろう。
それに気付いた裕実は、
「今日は望さんと二人で居たいって僕が望さんのことを誘ったんですよ。 そしたら、事件に巻き込まれてしまったのです」
「そうだったんだー。 って、納得する訳ないでしょー。 今、僕は兄さんと話をしていたのに、君が横から口を挟むということは、何か他にも理由があるんじゃないの? 君と兄さんが一緒に居る理由がね」
裕実と望は視線を合わせると、目を丸くして視線を合わせる。
「それは、ぼ、僕と和也が喧嘩してしまったので、今日は望さんと一緒に居たかったんですよ」
「じゃあ、雄兄さんがこの場に居てもおかしくはないんじゃないの? 雄兄さんは君達の喧嘩には関係ない訳だしさ」
「それは……」
その朔望の言葉に、言葉を詰まらせる裕実。
「言葉を詰まらせるということは、本当の理由が他にもあるってことだよね?」
「って、別にお前には関係ないことだろ? それよりか、どうすんだよー、この状況どうにか出来ねぇのか?」
「どうにもなんないでしょー。 だから、解決するまで待つしかないんじゃないの?」
「でも、お前はアメリカで一度は銀行強盗にあってるんだろ? なら、解決方法とか知らないのかよ……」
「流石に知らないよ。 一応、携帯は二台持つようにはしてるけどね。 一台は今さっき犯人達に取られたけど、もう一台はとりあえず、ジャケットの内ポケットに入ってるけどさ。 携帯があっても、外には警察がもう来てるし、後は誰かに連絡することしか出来ないけどね」
「確かに、そうだよなぁ」
「せめて、犯人をどうにかしたいんなら、催眠スプレーとか催涙スプレーとかあったなら、どうにかなりそうなんだけどさ……携帯がもう一台あったとしても、警察に連絡をするってことしか出来ないよね? だけど、もう警察は来てるしさ。 ま、誰かが連絡してくれたんだと思うんだけど」
「……連絡かぁ。 雄介には連絡しときたいとは思うけど、雄介が来たところで何かが変わるって訳じゃないしなぁ」
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