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ー平和ー74

「本宮さん。 とりあえず、あのさ、メールで和也に伝えてくれない? 今、僕達が居る場所というか……ハッキリとこの場所の住所は分からないだけど、建物や目印だけでも和也に伝えたらこの場所が分かるかもしれないしね」 「そうですね! 分かりました!」 「とりあえず、太陽が西に傾いているから、僕達は今、北にいるって感じかな?  西側に富士山が見えて、東側には確か春坂市のシンボルのタワーが見えいて……んー、まぁ、辺りは住宅街だから、これ以上の目印はないかな?」  と朔望はそれだけを伝えようとしたのだが、これだけでは流石に場所を特定するのは難しいというかあまりにも大ざっぱ過ぎると思ったのか他にも目印になりそうな物を探す。  すると窓際から西側百メートル先くらいに公園があってその公園には『仲良し公園』と書かれているのを見つけたようだ。  だが仲良し公園だけではありきたりな名前の公園過ぎて、まだ決定的な目印にはならなそうに思える。  朔望は百メートル先にある公園の遊具を目を凝らし、 「窓際から見て西側に『仲良し公園』があって、規模はそんなに広くなくて、そこの遊具はブランコと滑り台と木馬かな?」  朔望が言う言葉に裕実はメールを打っていく。 そして送信すると、 「後は和也達だけを待つだけですね」 「そうだね……」  朔望は少しホッとしたような顔をすると、床に座るのだ。  今まで自分達のことがいっぱいで望のことを忘れていたのだが、 「そう言えば、兄さん、大丈夫だったかな?」 「兄さん……?」 「望のことだよ」 「あ、そうでしたね……忘れてましたよ」 「あの時、兄さんは犯人達に足を撃たれたよね? それから、大丈夫だったのかな? って思ったんだけど……」 「あ! 僕達三人が人質として犯人達にお金が入ったバッグを持たされて走っている時ですよね?」 「僕は兄さんの隣りで走っていたけど、あの爆発の直後、現場は更に混乱して、警察達も周りの人達も爆発に注目していて、何十人との人々がその爆発に巻き込まれて怪我人も多数出ていた時に兄さんは足を止めたんだけど、兄さんは、バッグを持ったまんま現場に戻ろうとしたら、犯人達に撃たれたんだったよね?」

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