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第7話 初めての感覚

「ね、キス…していい?」 憂太が何ともいえない沈黙を破る。 「え、あぁ」 思わずびっくりして、変な返事をしてしまう。 「(くっそ。やっぱ男前じゃん、こいつ)」 眼鏡を外している憂太を見ると男だとわかっていてもドキっとしてしまう。 「湊、目閉じて?」 「ん…」 言われたとおり目を閉じると、憂太の手が頬に触れた感覚がした。 「(うう…これ以上近くに憂太がきたら俺の心臓の音聞こえる…)」 ……チュ。 唇に柔らかい感触がした。 「(う、うわぁ…は…初めてした…)」 憂太の柔らかな唇がそっと離れる。 憂太とした初めてのキスは一瞬の出来事で、ほんのりお酒の匂いがしたが心地良かった。 「もう終わり…?」 暗くてはっきりと顔が見えないよく見えないが、憂太が少し驚いているのはわかった。 「え、僕煽られてる?」 「ち、違うちがう」 自分の発言が急に恥ずかしくなる。 「目逸らさないで、こっち向いて?」 耳元で憂太の優しい声が聞こえる。 そっと優しい声の方へ向くと、気のせいか憂太は少し余裕そうに微笑んでいる。 「んん……」 さっきよりも長めのキスをした。

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