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第1話
同級生から告白された。しかも幼馴染。そしてそもそも相手も同性だってのが、ちょっと考えどころだったりする……。
うん。何となくそんな感じがしてた。
だけどそれを認めたくなかったって言うのが本音なのかもしれない。けど、いざ告白されてしまうと返事に困る。
「俺もだよ」とは即答できなかったからだ。
だって小さい時から知ってるのに、「今更そんなこと言われても……」ってのがこっちの言い分だ。けれども、かと言って「嫌いだから明日から会わない」とも言えない。
相手の名前は友塚善人(ともつか-ぜんと)・高2。そして俺の名は枝野留津(えだの-るつ)・同じく高2。
棚橋高校・普通科のバレー部所属。もうそろそろ上級生も引退するから、そしたら自分たちが仕切ってかなきゃいけないって肝心な時にこんなこと言われた。困るだろ?
●
「俺さ……留津のこと好きなんだよね」
「知ってる」
「……恋愛感情あるってことだけど、了承してそれ言ってる?」
「ぇっ……」
「俺の気持ち、気付かなかった?」
「って言われても……」
何そのレンアイカンジョウって……って感じだった。
「俺、いつでもお前がそばにいてくれるの当たり前だと思ってた。けど最近卒業したら別々になっちまうんじゃないかと思ったら……今言わなきゃと思った」
「別に……近所なんだから毎日会おうと思えば会えるのに」
「そういう意味じゃねぇ。気持ちの区切りとして言いたいと思ったんだ」
「でも……」
「留津の気持ちを考えてないと言われればそれまでだけど、もし今誰も好きじゃなかったら……俺の気持ちに応えて欲しいっ」
「うん……。でもすぐには返事出来ない。ちょっと待って」
「ああ」
「もし善人のその気持ちに応えられなくても、怒らない?」
「怒っても答えは変わらないだろ?」
「うん、まぁ」
「俺のことは、お前が一番分かってるから。ダメ元で言ってるのも承知の上だ」
「……」
「お前は、か弱い女の子じゃないし、ちゃんとした男だ。だけど俺はお前と……したい。そんな俺……嫌いか?」
「……分かんないよ、そんなのっ……」
「ごめん。でももう……正直に言いたいと思った。ごめんっ。断ってくれてもいいから返事をくれっ」
「……分かった」
そして返事は決まった。って言うか、答えはもう決まっていると言っても良かった。
端から断るつもりはなかったけれど、ちょっと勇気がない。
付き合うってことはエッチもするわけで。そしたら俺はたぶん抱かれる方になる。
自信ない。
〇
言われてからの家路に着く時、俺は正直に言った。
「善人の気持ちは嬉しいけど、俺、自信ない」
「何が?」
「俺も善人のこと好きだけど、抱くとか抱かれるとか自信ない」
「自信はいらない」
「けど善人は俺としたいんでしょ?」
「うん」
「俺が善人を抱くって選択肢は、ある?」
「ぇっ」
「ないでしょ」
「ぁ、いや。考えてなかった。てか、留津はしたいんか?」
「うーん……。でも俺、抱かれるのは自信ないっ」
「試してみる?」
「何を?」
「自信出るかどうか、やってみよう」
「うーん……」
いいからいいから。と善人の家に引き入れられて向かい合う。頭を撫でられながら顔を近づけられて頬が触れ合う。
「こういうの、大丈夫?」
「うん。これはいつものことだし」
「じゃあ、これは?」
軽くハグされて背中を触られると、別にそれもいつものことだし嫌じゃない。
それからほんのちょっと力を込めて抱き締められて唇が重なる。そしてあっという間に舌先で舌を絡ませながら倒されて逃げられないように下半身を太ももあたりまで脱がされた。
何すんだよっ、と払い退けようとするけど覆い被さられてそんなこと出来なくて、ほとんど抵抗らしい抵抗も出来ないままモノをモノに押し付けられた。
「んっ」
「大丈夫。今日は全部しないからっ…」
「っ」
されて堪るかっ、と相手を押しのけようとしてみたけど対格差から全然敵わない。
俺は普通に平均身長はあるつもりだ。だけど相手がちょっとばかり背が高くてガタイがいい。同じバレー部だけどこっちの方が全然非力だった。
「触るだけ。触るだけだから」
「誰もいいなんて言ってないっ」
「でも何事もやってみないと分からないでしょ」
「自分の処理は自分で出来るしっ」
「俺は親切だから、留津の分までしてやるだけ。なっ、そう思って一度任せてくれよ」
「ぅぅぅ」
いいも悪いもない。こうなった以上相手が納得いくまで終わりそうもない行為に力を抜くしかなかった。
「抜けなかったら、もう善人は触っちゃ駄目だからっ」
「…分かった分かった。じゃ絶対抜くから。覚悟してな?」
「ぅぅ」
とても正直に「じゃあ、お願い」とは言えやしない。言い合いしながらももうモノはしごかれてたし、ついでに袋も弄ばれてる。
「ぅっ…ぅぅ…ぅ」
「こういうの、どう?」
「聞くっ⁉」
それ、聞く⁉ と怒鳴ってやりたかった。だけどそれはたぶん相手を助長させるだけで、けして俺の利にはならない。だからひたすら無を装い耐える。
「ぅぅぅ」
耐えに耐えても、どうしてもソコに変化は訪れる。
しごかれて割れ目を刺激しれればモノは大きく硬くなる。そして先端からは汁が垂れて羞恥で体が燃えるように熱い。
モジモジしていると下半身を全部脱がされて脚の間にはしっかり善人を咥え込む形になってしまっていた。
だけどここまで来たら途中で辞められるはずもなくモノをしごかれながら袋を揉み揉みされた。
小さい時から一緒に風呂に入ったり、プールで着替えるのに裸になるのにも抵抗はなかった。
だけどそれとは全然違う感覚だ。徐々に指が後ろに移動して行って先走りの汁を使って突っ込まれた。
「あっ……! んっ!」
大きく片脚を持ち上げられるともっと深くに指が入り込んでくる。
「何⁉ やっ……何かっ……入ってきたっ」
「俺の指だから」
安心して、という風な顔をしてくる。
「最後までしないって、言ったじゃん」
「まだ最後までいってないけど」
「けど中に入ってるっ!」
「入っちゃった」
「入っちゃったじゃなくて! んっ! んんっ! ぁっ!」
中に入っている指で内壁を撫でられるとゾクゾクッと体が騒めく。
「どう? こういうの、ゾクゾクするんじゃない?」
「ぁっ……ぁっ……ぁぁっ……んっ」
返事らしい返事もろくに出来ないまま、入れられた指の感覚を貪ろうとしている。
何これっ……。何? 何? どうするの? 俺、何して欲しいの?
指で中を触られながら善人の舌が俺の首筋を這う。モノをしごかれて乳首を舐められると、知らない間に指の数が増えていた。グニグニと袋を刺激されながらの指入れに相手の荒い息遣い。
「善人っ……。やっ……何これ……」
「何が?」
「ドクドクするっ。ゾクゾク……クニクニ……ニュルニュル……」
「それは……いい傾向だな」
「俺、……どうなるの? どうすればいいの?」
「始まったら終わらない。終わらせないと終わらないよ。どうする? 終わりたい?」
「終わりたい?」
まだ始まってもいないのに?
「どうする?」
「どうするって……ぁっ……んっ……んんっ……んっ」
中にいる善人の指腹がサワサワと壁を触る。ゾクゾクが止まらなくて鳥肌が立ってしまいそうだった。
「どっ……どうにかしてっ……。も……もぅ」
「もう……なに? もっと気持ち良くなりたい?」
「ぅっ……ぅんっ……。かも……」
かもしれない。
それが正解かどうかは分からなかったけど、少なくとも今の生殺しのような状態からは逃れられる。逃げるか突き進むか、そのどちらかを選ばなくてはどうにもならないのが今だと思った。
「分かった。留津が最高の気持ちになれるように俺、頑張るっ」
「ぅん……」
いいように乗せられた。でもいつかこうなるのも分かってた気がする。
ここを超えたいと思っていた善人の気持ちに俺は答えられるだろうか。
両脚を担ぎ上げられていきり立ったモノをソコに押し付けられる。グニグニと確かめるように入口でたっぷりと汁をつけられると合図もなく突き入れられた。
「あぅっ! ぅっ! ぅっ! ぅぅっ……」
しっかりと根本まで入れてから「大丈夫か?」と聞かれて息が詰まった。
「そう……見えるのかよっ」
「いや、ごめん」
「だったらちょっと動かないで。凄い圧迫感で……」
身動き取れないっ……。
フゥフゥ……と何とか現状に慣れようと努力するけど、入ってきたのは生き物だからドクドクするのが伝わってもくる。
「善人っ……」
「何だ?」
「ギュッて……したいっ」
「いいぜ」
相手だって余裕ないのがその声から分かる。俺は苦しい中、善人に手を伸ばすとその首に抱き着いて引き寄せた。
「慣れるまで……ギュッとする」
「ああ」
「……俺から、キスしていい……?」
「ぇ……ああ。いいよ」
「んっ……んんっ……ん」
優しく唇をつけて、それを何度も繰り返す。そしてちょっと恥ずかしいけど善人の唇を割って舌を差し入れると苦しさを紛らわす。クイッと体が動くと角度が変わって、それでも大丈夫で。徐々に徐々に慣れていって善人が体を動かし始める。
「ぁっ……ぁっ……ぁっ」
「苦しいか? 大丈夫か?」
「ぅっ……ぅっ……ぅっ……。だいじょ……ぶじゃなぃっ……に決まってんじゃんっ。でもっ……ど……にか出来て……るっ。俺、凄い?」
「凄いっ。留津は俺を受け入れてくれてるっ。それってすげーと思うっ。ぅっ……うっ……うっ!」
どちらもこんな行為は初めてで、おぼつかない部分もあったけど、無事善人は俺の中に放ったし、俺も俺で果てた。
相手はどうだかよく覚えてないけど、俺は終わった後は泣き笑いしてて、それを指ですくわれた。
「留津は偉い。そして俺は狡い。ごめんな」
「そう思うならするな。俺はこんなことしなくてもちゃんと善人のこと好きだから」
「ごめん」
「……」
でも前に進むためには、ひとつ階段を上ったって感じ、なのかな……。
今回はしてやられた。だから今度は俺から誘う。誘ってやるっ。
新たな目標が出来て抱き着く腕に力が入る。
「これ、きっともっと気持ち良くなる方法あると思う」
「留津先生、それは何ですか?」
「よく分かんないけど……たぶん慣れ。流れを掴んでいいトコを追求すれば……ぁっ」
「じゃ、慣れるためにも、もう一回いたしましょうか」
「しねぇよっ!」
グイッと相手の肩を押して脚でも相手を押し退ける。善人は笑顔を作って俺から離れたけど、ちょっとなんか自信ついた。
俺たちの関係に一色また違う色が加わった感じだ。
終わり
タイトル「ここまで来たら」
20240319
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