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驚きの日

「…っ、く…」 声が漏れるのを 必死に抑えてた俺だけど、 尻を撫でる手が急に止まって、 気がすんだのかと体の力を抜く。 スルッ… 「っぇ…!?」 な、なんか… 痴漢の手がだんだん前に来ているような…。 …う、嘘だろ。 男のなんか触っても良いことねーって! 泣きそうになりながら 拳をぎゅっと握りしめた瞬間 キーッと電車がとまる音がする。 少しの間をおいて ドアが開いて乗客が降りて行く。 た、助かった… 後ろから小さな舌打ちが 聞こえるのと同時に、 やっと痴漢の手から解放された。 「…っ」 ホッとしたら ほんとに涙が出てきそうになって あわてて拭う。 しばらく放心状態になってた俺だけど、 アナウンスの声にハッとして電車から降りる。 …男でも痴漢に合うもんなんだな。 満員電車恐るべし…。 …あ、だめだ。 結構ダメージ食らってるっぽい。 早く用すませて帰ろ…。

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