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第18話

「今日は父上の診察だっただろう? 医者は何と? 薬代は足りたか?」  長男夫婦に会いたくないからといって家に寄りつかず、父には親不孝をしたという自覚がアシェルにはあった。その罪滅ぼしではないが、父の医者代や薬代はアシェルが支払っていた。ウィリアムはそれに気づいていたが、アシェルが払うならそれで良いとばかりに見ないフリをしている。だがこれに関しては子である己にも責任はあるのだと何を言うつもりはない。 「お変わりなく、良くも悪くもなっていない状況であると医者は申しておりました。ですが、本日は王妃殿下がお越しになられておりましたので、旦那様のご機嫌はよろしかったように見受けられましたよ」 「フィアナが!? まさか、話したのか?」  思わぬ名前にアシェルはカトラリーを落としそうになる。もしや、とじぃに視線を向けたが、彼は静かに首を横に振って否定した。

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