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第3話 折れる気持ち

あれから、月日はだいぶ経った。 俺は、性欲の赴くまま、校内だけでなく、自宅やラブホ、夜の公園や浜辺、映画館、それだけなく人目のつかない道端でもサトシを抱いた。 躍起になった時もあった。 縛りプレイに、鞭、ろうそく、目隠しプレイ。 極太バイブ、ビーズが入ったまま、俺のをねじ込む鬼畜プレイ。 さらには、乳首や尿道を執拗に攻め、サトシの新しい性感帯をも開発した。 今日は、車の中。 繁華街に停めたその中では、男同士の生交尾ショーが繰り広げられる。 通行人達は、ギシギシ揺れる車の中を、食い入るように覗き見る。 逆バニー姿のイケメンがアヘ顔を晒してイキの悦びに浸っているのだ。 Mっ気のあるサトシはいつもより感じているようだった。 サトシを存分にイカし切った俺は、シートを戻しながらサトシに尋ねた。   「満足したか?」 サトシは、放心状態のまま、微かにコクリと頷く。 しかし、その目からはいつものように涙がポロポロと流れ落ちる。 「そうか……」 俺は、車窓から夜景を見つめる。 既にギャラリー達は解散しており、煌びやかな夜の街が広がっている。 俺は、サトシの頬に手を触れようとして、手を止めた。 必死に俺から顔を背けようとしているからだ。 相変わらず、サトシは俺に心を開こうとしない。 体は、こんなにも狂おしいほどに求め合っているのに。 強情なんてものじゃない。 男がそれほどまでに信念を貫き通すのだ。 優等生だから軟弱とか思われがちだが、サトシは一人の男。 認めざるを得ない。 こいつもまた真の男なのだと。 俺を目を閉じた。 出会いを思い出す。 サトシを自分のものにしたかった。 サトシの全てをこの手に。その為には、どんなに嫌われても諦めない。 そう誓ったはずだった。 「……潮時なのかもな」 俺は、ぽつりつぶやいた。 「え?」 サトシは、すぐさま反応し、こちらを見る。 俺はゆっくりとした口調で、静かなトーンで話し出す。 「なぁ、サトシ。俺は、お前を解放する」 「え……今なんて言った?」 驚き顔のサトシ。 「お前は、自由だ。もうお前を呼び出す事はしない」 「それって……」 「そうだ。俺はお前を諦める。お前の勝ちだ。俺は、お前をもう抱く事はない。サヨナラだ」
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