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1-10罠にはまった君はもう逃げることはない

「鈴、ようやく東京だね。相変わらず人が多いなぁ」 「そうだな、ここはいつだってそんな場所だ」 「鈴のマンションに早く行こう、きっと埃がたまってるから掃除しないと」 「今日だけは裕介にも手伝ってもらうかな、明日からは俺がやる」 「家事と家賃は折半だって言ったでしょ、家賃を受け取ってくれないなら家事は折半だよ」 「だってここ俺の親が買ったし、裕介から家賃を貰うのは抵抗があるからいらないんだ」  僕と鈴は東京にまた来ていた、まだ大学は始まっていないが入学手続きや、早く新しい環境に慣れようということで早めに東京に出てきたのだ。鈴の両親はあれから見ていない、僕の両親は二人揃って快く僕たちを東京に送り出してくれた。ただし、僕の妹の麻衣は別でしばらく外出禁止にされていた、僕に睡眠薬なんかを飲ませた罰として麻衣はしばらくは両親に監視されるそうだ。そして鈴のマンションの部屋につくと、やっぱり少し埃がたまっていた。 「それじゃ、鈴。僕が掃除をするからね」 「おおせのままに、裕介。でも晩飯は俺が作るからな、手伝いはなし」 「それじゃ、買い物にも行かなきゃいけないね。鈴が行ってきてくれる?」 「おう、裕介を外に出すよりその方がいいぜ」 「いくら大都市だからって、僕だって迷子になったりはしないよ」 「いいんだよ、裕介はこの家と学校にだけ行けばいいんだ」  ちょっと引っかかることを鈴が言っていたが、僕はまず埃と格闘するので一生懸命だった。この前使ったシーツはパリパリに乾いていて取り込んだ、そうして僕は各部屋を片っ端から掃除してまわった。その間に鈴は近くのスーパーに買い物に行ってきて、台所の掃除を終えると晩御飯を作りはじめた。元々新築の建物で人がいなかった期間も短かったから、そんなに時間はかからずに掃除は終った。そして、鈴と美味しい夕食を食べた。 「明日は入学手続きに行こうね」 「ああ、早めにそうしておこう」 「他に足りないものは何かあったかな? この前、来た時に結構買い物したもんね」 「今日のスーパーでも色々と買って来たから、何か足りなかったら俺に言ってくれよ」 「僕もスーパーに行きたいよ、周辺の店とか把握しておきたい」 「それじゃ、明日。入学手続きをしたら、この周辺を見てまわろうぜ」  そうして楽しい晩御飯も終わり、ふとつけたテレビのチャンネルの多さに僕はびっくりしていた。僕が住んでいたところではケーブルテレビにしない限り、こんなに多くのチャンネルは無かった。そうやって鈴のマンションの部屋を堪能する僕に、鈴がキスしてきていやらしく僕の体を触った。僕は鈴がえっちな遊びがしたいんだなって気がついて、鈴からのキスに同じくらい激しく応えた。 「えっちな遊びをするの? 鈴」 「そうだな、そうしながら裕介に教えて貰いたいことがある」 「僕に? 何をかな?」 「まずベッドに行こうぜ、長い話になるかもしれない」 「うん、分かった」 「おおっ、シーツもちゃんと変えてくれたんだな」  僕たちは寝室に移動して話をすることにした、そうしたら鈴が意味ありげに笑いながら、僕をベッドに押し倒してキスをした。それからいつものように僕のものにコンドームをつけて、鈴は手や口で刺激して気持ち良くさせてくれた。僕もコンドームを右手につけて、ローションで濡らして鈴の下の穴をゆっくりと広げていった、指が三本入るようになって準備が整った。そうしたら、鈴がいきなり質問してきた。 「なぁ、裕介。好きな時にキスやセックスをして、お互いに本当に相手のことが好きで大好きで、しかも養子縁組までしてしまった二人の男性がいる。お前はこの二人の関係を何て言う?」 「えっ!? それはこい…………」 「なぁ、裕介。なんで黙っちまったんだ、お前は正解を言いかけたじゃないか」 「だっ、だってその二人ってまるで……、まるで……、まるで!!」 「俺たち二人のことじゃないかって、そう正解。そして、俺はお前のさっきの答えをしっかり聞きたい」 「え? やっ、嫌だ!! 今、僕のを挿入しちゃ駄目!! 鈴!!」  僕は鈴にベッドに優しく押し倒されて、すっかり興奮して固くなっている僕のものを、鈴が自分の中に入れていくのをみせられた。鈴の中が熱くて締め付けてくるのでとても気持ちが良かった、でも今はその快感を我慢しなくちゃいけなかった。だって僕と鈴は大切な親友で、恋人でも夫婦でもなかったからだ。 「鈴!! 今は嫌だって!? その二人は親友だよ、大切な親友だ!!」 「はぁ、裕介。さっきと答えが違うぜ、最初に思いついたとおりに言えばいいんだよ」 「嫌ぁ!! 鈴、動かないで!! 鈴の中が締め付けて気持ち良いから!!、お願い動かないで!?」 「ああっ、俺も気持ちが良い。裕介好き、お前のことが大好きだぜ。だから聞きたいんだ、キスもセックスもしてる、お互いが好きで大好きだ、養子縁組までしてる。この二人の関係は何だ?」 「鈴!! 僕は親友だって言ったよ!! その二人は仲が良い親友だよ!!」 「裕介、それは間違った答えだ。確かにこの二人は親友かもしれない、でもまだ足りない関係があるだろ」  そう言って鈴は腰を振って僕のものに甘い刺激を与えた、鈴の中が気持ちが良くて僕はいきそうになった。でも僕がいきそうになったら鈴は腰を動かすのを止めた、そうして僕の正しい答えを待っていた。だからといって僕は正直に恋人や夫婦だと答えられなかった、だってそうしてしまったら、僕と裕介は恋人ということになる、養子縁組もしてるから夫婦と言われてもおかしくなかった。 「裕介、一言だけでいいんだ。いきなり夫婦は抵抗があるんだろ。だったらもう一つの答えだけでいい」 「鈴、どうしてこんな意地悪をするの? 僕たちは親友でいいじゃないか、それで何が悪いの?」 「おいおい、俺と裕介がただの親友のままだったら、いつかお前は彼女を作ってくるだろ。そして俺の事は大人だから平気だ、なんて都合の良いことを言って捨てるのさ」 「ぼっ、僕はそんなことはしない!! 鈴を捨てるなんて酷いことはしないよ!!」 「それじゃ、裕介。俺たち二人の本当の関係を言ってくれよ、正直に思いついたままさっきの続きを言ってくれよ」 「僕と鈴は……、大切な親友で……、それに……、それに……」  僕がはっきりと答えないでいると鈴はまた腰を動かし始めた、そして僕がいきそうになると腰を振るのを止めるのだ。僕は何度も何度もそんなことをされて、射精したくて堪らなくなった。でも鈴は答えを言わない僕を許してくれなかった、何度もキスをされて首筋にもキスをされたり乳首を舐められたりした。僕はもっと強い刺激が欲しくて堪らなくて、それしか考えられなくなった。 「なぁ、裕介。いい加減に答えてくれ、俺も我慢の限界だ。好きな時にキスやセックスをして、お互いに本当に相手のことが好きで大好きで、しかも養子縁組までしてしまった二人だ。お前はこの二人の関係を何て言う?」 「ああっ、はぁ、はぁ。うぅっ、そっ、その二人は……その二人は!? こっ、恋人だと思う!!」  僕はとうとう鈴の執念に負けて、僕たちの関係を恋人だと言ってしまった。その次の瞬間、僕には凄い快感がきた。鈴が腰を激しく動かしてくれて、鈴の中が凄く締め付けてきて、僕はあっという間にいってしまった。そうして鈴は僕のことを大切そうに抱きしめた、鈴は僕がずっとそう言ってくれること待ってたと言った。確かに僕たちはもう恋人と言って良かった、ただの親友ではこの関係を説明できなかった。 「あぁ、裕介。もう俺のものだ、愛してる。だから俺を抱いて、滅茶苦茶に愛してくれよ」 「分かった、鈴。押し倒すよ、待ってコンドームも変えるから、少しだけ待って!! 鈴!!」 「ああっ、裕介のが入ってくる!! 気持ち良い!! 裕介、好きだ!! 大好き!! 愛してる!!」 「あっ、ああ!! 鈴、そんなに締め付けたら、僕すぐにいっちゃうよ!! ひぁ!! ああっ!!」 「裕介、好きだ!! 愛してる!! お願い、言って!! 裕介の気持ち、俺に聞かせて!!」 「鈴!! 鈴のことが好きだよ!! 大好きだ!! それに――、それに――!?」  僕は鈴の中でまたいってしまった、でも鈴のことを抱きしめて放さなかった。そう、僕はずっと昔から鈴のことが好きだった、それはいつしか大好きに変わっていった。親友と言う言葉は僕の本音を隠すいい言葉だった、僕は本当はいつの間にか鈴のことを深く想うようになっていた。そう、僕は鈴のことを以前からずっとこう思っていたんだ。 「鈴、君を心から愛してる」  そう言ったら鈴は顔を上げて僕を見た、僕が本気で言っているのか確かめるように鈴は僕をみつめた。そして納得がいったのか鈴は笑った、とても嬉しそうに子どものような無邪気な笑顔を見せた。そして僕たちはセックスを再開して思う存分愛し合った、今までのセックスが本当にお遊びだったように、僕は物凄い快感を鈴と一緒に味わった。 「ようやく手に入れた、俺の裕介」 「僕は物じゃないよ、鈴」 「分かってるさ、でも俺のものだ。もう裕介は俺の恋人だ」 「浮気なんてしないでよ、鈴」 「分かってる、彼女候補なんてもう作らない」 「それじゃ、良かった。愛してるよ、鈴」  僕はいつの間にか鈴が仕掛けた罠にはまっていた、僕の大切な鈴が考え抜いた罠の中に僕はいた。そして、とうとう鈴に捕まってしまった。でも本当の気持ちに気がついた僕はそれを後悔はしないだろう、鈴の作った罠の中は僕にとってとても居心地が良かった。だから今度は僕が鈴を罠の中に閉じ込めたいと思う、愛している鈴を僕は今更手放すことはできなかった。 「愛してるぜ、裕介。もう俺だけのものだ」  今は鈴にしかける罠について考え中だ、罠の中をとても居心地をよくして、鈴が僕から放れられないようにできれば良かった。鈴は何も僕の考えに気がつかなくて、幸せの絶頂といった顔で僕に向かって愛を囁いた。僕も鈴を愛しているから、この先ずっと捕まえておきたかった。だから、僕は心からの笑顔で鈴に向かってこう言った。 「鈴、愛してる。だから、もう逃がさないよ」

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