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籠に入らない可愛い小鳥

「おやおや、これはなんて可愛い小鳥だろう」 「小鳥?」 「君のことだよ、坊や。私はオラトリオ、君の名前は?」 「フェリ」 「そうかフェリか、名前まで可愛い。フェリ、私のところに来ないか? ひもじい思いをしなくてすむ、綺麗なお湯のお風呂に入れて、ふかふかのベッドで眠れて、君の好きなことができるよ」 「…………行きたい」  私の名前はオラトリオ・フェルス・マルマロス、金の髪に蒼い瞳を持ったこのマルマロス国の王だ。今日は抜き打ちの視察で孤児院を訪れていた、そうしたら白い髪に灰色の瞳をしたとても美しい少年がいた。でも彼はやせ細っていて顔色が悪かった、そうして調べたらこの孤児院が国からのお金を横領していたことが分かった。そして、私は生まれて初めて一目惚れしたその少年を、愛人として王宮に連れて帰った。 「ここが私の家だよ、フェリ」 「凄く大きくて、キラキラ」 「そしてこの離宮が君が住むところだ」 「小さいけど凄く綺麗、本当にここに僕が住んでいいの?」 「ああ、ここで君の好きなことをして過ごすといい」 「それじゃ、僕は歌う。そして、オラトリオを待ってる」  私には王妃も愛人も今までいなかった、愛する人を作れなかったからそうしていた。だから初めて好きになったフェリ、私のたった一人の愛人が快適に暮らせるようにした。小さな離宮を与え使用人にフェリの命令には全て従うように伝え、誰からも危害を加えられないように、その離宮を信頼できる騎士たちに守らせた。フェリはその離宮の中で過ごすようになった、沢山ご飯を食べて、綺麗なお湯のお風呂に入って、ふかふかのベッドで眠り、好きな曲を歌って彼は過ごすようになった。私は毎夜、その離宮を訪れた。 「こんばんは、フェリ」 「オラトリオ!! 待ってたよ!!」 「そうか、私は嬉しいよフェリ。何か不満は無いか?」 「なんにもないよ!! ご飯は食べれるし、お風呂に入れて、ベッドはふかふかだよ」 「それは良かった、フェリ。今日はどんな曲を覚えたんだ?」 「今日はね、こんな曲を覚えた!!」  私はフェリを愛人にしても無理に抱くつもりはなかった、ただ一目惚れして連れて帰ったフェリの好きな曲などを歌って貰った。フェリは教えれば頭は良くて、すぐに文字の読み書きと楽譜の読み方を覚えた。そうしてフェリは毎夜に訪れる私にいつも新しい曲や、私が気に入った曲を歌ってくれた。お世辞ではなくフェリの歌声は一級品で、王家の楽団にも勝るほどの歌声だった。そうして私は歌って楽しそうなフェリを見守り、毎夜同じベッドで二人で一緒にゆったりと眠った。 「お願いです、陛下。男の愛人ではなく、女性の伴侶をお作りください」 「うーん、何のために? 跡継ぎなら弟の子どもを、もうきちんと教育している」 「賢王と呼ばれる陛下のお子なら、きっと素晴らしい子どもが生まれるはずです」 「いいや、弟の子どもは十分に賢くて性格も良い子だ」 「ですが、陛下のお子ではございません。とても賢王にはなれないでしょう」 「今日も弟の子どもと色々と話をしたが、きっと彼なら次の賢王になってくれるだろう」  私がフェリを愛人にしたことで、私が他にも愛人を作ると思ったのか、貴族たちが自分の娘や息子を私に薦め始めた。私はそれを一件も残さずに断った、私が愛しているのはフェリだけだった、だからどんな美女も美男も私には必要なかった。フェリは相変わらず私が訪れると歌ってくれたが、それ以外にもお喋りをしてくれるようになった。フェリは私にとても懐いてくれて私の膝の上に乗ってくれたり、私が帰る時には頬にキスをしてくれるようになった。そんな幸せで穏やかな日々が続いた朝のことだった。 「どうしたんだ、フェリ?」 「どうしよう、オラトリオ。僕は子どもじゃないのに、お漏らししちゃった」 「ああ、これはお漏らしじゃないよ。夢精したんだね」 「オラトリオと裸で抱き合って、キスしている幸せな夢を見たんだ」 「そうか、それでは今夜そうしてみよう」 「本当!? うわぁ、楽しみだ!!」  その出来事でフェリが性的にも、私のことを意識していることが分かった、だからその夜から私はフェリのことを抱くようになった。フェリは最初のうちは驚いていたが、やがてフェリから私におねだりまでするようになった。私は唯一愛している相手と性交できて幸せだった、フェリも毎夜訪れる私を待っていて、抱いてくれるようにせがむようになった。私はフェリを抱いて愛の言葉を囁くようになった、フェリもそれを覚えて私に同じように返してくれた。 「オラトリオ、やぁ!! 気持ち良い!! もっとキスして!! 僕に触って!! オラトリオの早く入れてぇ!!」」 「フェリはこんな時の声も可愛いね、君が上手く鳴けるように私のものを入れてあげよう」 「ああっ!! オラトリオのものが入ってきて!! 凄い気持ち良い!! 早くいっぱい動いてぇ!!」 「フェリのために何度だって動いてあげよう、ああっ!! 気持ちが良い!! それに本当に君の声は可愛らしい」 「オラトリオ、好き!! 大好き!! ああっ、やぁん!! いっちゃう、いくよぉ!!」 「私もフェリが好きだよ、そして大好きだ。フェリ、いってしまって構わないよ」  私はフェリにお尻の中を綺麗にする方法を教えて下剤を与えた、そしてトイレを済ませてフェリはお風呂に入って出てきた、そんなフェリのお尻の穴を蜂蜜などから作ったクリームを使い指でよくほぐしておいた。その間もフェリにキスをしたり、ピンッと立っている乳首を舐めたり、触ったりしてフェリに愛撫をした。フェリのものは私が触れなくても立っていて、愛撫だけでいってしまうこともあった。そしてフェリが私を受け入れると、彼は綺麗な声でとても可愛く鳴いてくれた。 「やぁ!! 僕いってるのに!! オラトリオ、まだ動かないでぇ!! ああんっ!! 凄く気持ち良いよ!!」 「フェリ、私はまだいってないんだよ。だから、気持ちよく感じて、フェリ。ああっ!! いく!!」 「はぁ、オラトリオのものがいっぱい。お尻から零れちゃう、ひゃ!! ああっ!! オラトリオ!! またオラトリオのものが入ってきてきちゃう!!」 「私も三十二歳になるけれど、まだこれから男盛りだしね。フェリ、可愛く鳴いてくれ。そう沢山感じて、快感に素直になって」 「はぁ、素直に? それじゃあ、もっと深く入れてぇ!! もっと、もっと激しく犯してぇ!!」 「ふふっ、私を欲しがってよがり狂うフェリも可愛い。フェリ、君が大好きだ。君だけを愛しているよ」  フェリが私の本物の愛人になると私はフェリを離宮に置いておきたくなかった、だから王の居住する場所で一緒に住むようにした。どうせ私はフェリ以外に妃も愛人も要らなかったから、フェリが私の部屋に住んでも文句を言うのは伝統とやらを重んじる貴族たちだけだった、彼らは実に煩かったが国王である私を止めることはできなかった。逆に私が信頼している侍従などの味方の貴族はすぐにフェリが居ることに慣れて、フェリに対しても失礼な態度をとらなかった。 「やぁん、オラトリオ。もっとキスして、もっと愛して」 「いいとも、可愛い声で鳴くフェリに、いくらでもキスをしてあげよう」 「僕のこと抱いて、オラトリオの好きなように犯して」 「そんなことを言うと、また一日中動けなくなるよ。フェリ」 「いいよ、また執務室や寝室でオラトリオと一緒にいるから」 「ふっ、それもいいね。私も執務へのやる気がでるよ」  フェリは執務室にも出入りするようになった、執務室でのフェリはソファに座って大抵は楽譜を読んでいるか、眠っていることが多かった。フェリが眠っている原因は大体が私がフェリのことを愛し過ぎるせいだから、眠っているフェリを叱ったりなんてできるわけがなかった。フェリは住む場所が離宮から王の部屋に変わっても、美味しい食事ができて、温かいお風呂に入れて、ふかふかのベッドで眠り、好きなことができるのだから気にしなかった。 「やぁん!! オラトリオ、オラトリオ!! 凄く気持ち良い!! ああっ、早く激しく犯してぇ!!」 「そうか、可愛い声を出して気持ちがいいか? それじゃ、フェリ。動くから覚悟するんだ」 「あっ、あっ、らめぇ!! そんなに突いたらすぐいっちゃう!! ああっ!! いく!! やぁ!! いってる最中にオラトリオに犯されるのも好き!! ああっ!! またいっちゃう!!」 「フェリはいやらしい子になったね、私以外に浮気しないでくれ」 「オラトリオ以外に抱かれるなんて嫌だ!! オラトリオがいい!! オラトリオが欲しいのぉ!! オラトリオも浮気しちゃヤダ!!」 「それじゃ、フェリ。私たちは二人とも浮気はしないことにしよう。おおっ、フェリの中が締まった、興奮しているのかい?」  私とフェリのお尻に私のものを挿入して激しく腰を振った、その度にフェリが私のものを中で絞めつけた。フェリは前でいっている時に後ろを同時に犯されるのが好きだった、だから私はフェリのものを愛撫して先にいかせてあげて、それからフェリを強く少し乱暴に犯してあげた。フェリがあんまり性交が上手くなったから、私は浮気されないか心配になった。世の中にはいろんな人間がいるのだから、私以外をフェリが愛してもおかしくなかった。 「僕に優しくしてくれたのはオラトリオだけ、だから僕は他の人なんてどうでもいい。それより、オラトリオ。また犯して、いっぱい僕の中にだしてぇ!!」 「それじゃ、フェリ。また入れるよ、相変わらず可愛い声だ。では、フェリの中にいっぱい出してあげるね」 「ああー!! またいっちゃう!! でも、何か変。僕のものからは出ないのに、お尻の中が凄く気持ちがよくて堪らない!!」 「大丈夫かい、フェリ。今夜はもう止めておこうか?」 「ヤダ!! すっごく体中が気持ち良いだけだもん!! もう一度抱いて、もっと僕を犯して!! ねぇ、オラトリオ。愛してる」 「それじゃ、また君の中に入るよ。フェリ、私も君だけを愛しているよ」  時が経つにつれフェリは栄養不足だった体が良くなり美しさが増した、だから私はフェリが他の者を好きになってしまうことを心配した。それに私はフェリ自身が身を守れるように、フェリには国王しか知らない隠し通路も教えておいた、万が一フェリに何か遭った時に安全に外に逃げられるようにしておいた。私とフェリが本当に愛し合うようになってから、何回目かの舞踏会が開かれた。もちろん平民のフェリは出席できなかったが、私はそこで渡された飲み物を飲んで気を失った。 「…………今は何日だ、何が起きた? 体が上手く動かない」 「ああ、陛下。お目覚めになられた!! 今日は舞踏会から三日後です、誰かに陛下は毒を盛られたのです。医者は何の毒だか分からないと言いました、それではすぐに皆に陛下が起きたと知らせを!!」 「いや、知らせなくていい。体が動かない、皆に知らせるとかえって私が危険だ」 「かしこまりました、それでは信用できる者にだけお伝えします」 「フェリはどうしている?」 「あの者は一度だけ陛下の様子を見ると、次の日には姿を消しました」  私は自分のことよりフェリのことを聞いて安心した、私が動けない今はフェリはとても危険な立場だからだ、きっと隠し通路を使って城外に身を隠しているのだ。そうして私の意識が戻ったことは一部の信用できる者だけに伝えられた、そして私に毒を盛った犯人はすぐに分かった。悲しいことにそれは私の弟だった、私はいざという時のために、仕事を私ができない時には宰相に任せることにしていた。だから私の弟は王城をいらついて歩き回っていたが、それ以上何もすることができなかった。 「……トリオ、オラトリオ、オラトリオ!!」 「ああ、フェリじゃないか。今、戻ってきてはいけない。君の身が危険なんだよ」 「いいから、オラトリオ。この実を食べて。ああ、動けないのか。むぐっ、それじゃこうする」 「んぐっ、ふふっ。口移しで食べさせてくれるとは情熱的だね、フェリ」 「オラトリオが飲んだのはヴェナムの毒の汁だと思う、独特の匂いがするもので孤児院にも生えていて食べて死ぬ子もいた。これはその解毒剤の実、オラトリオ。僕が傍にいるから効き目が出るまで少し待って」 「そうか、フェリが知っているくらい有名な毒なら、医者も弟とぐるということか。おやっ、指先が動くようになってきた。フェリ、外の世界は危険だったろうに、本当にありがとう」  こうして私は毒から回復してまた国王に復帰した、そして弟を私への殺人未遂で裁判にかけた。調べてみたら証拠はいくらでも見つかった、こんなにすぐに分かる方法しかできないから先王は弟に王位を譲らなかったのだ。そうして結局、弟は王家にある北の塔に舌を切り落とされて生涯幽閉されることになった。私が未来の王に選んで教育してる弟の子どもは自業自得だと弟のことを言った、弟は子どもたちを可愛がることが無くて、この親子の間には何も交流が無かった。 「オラトリオ、庭園の花を見てきた。すっごく綺麗だった、後でオラトリオも行こう!!」 「それはいいね、お昼の後に少し時間を作って、フェリと一緒に見に行こう」 「最近は僕が王宮を歩き回っても何も言われない、護衛してくれる騎士さんには悪いけど、王宮って結構おもしろいところだね」 「ふふっ、フェリ。どこを見てまわっても構わないが、私のところに必ず帰ってきてくれ」 「当たり前だよ、オラトリオ。僕はオラトリオが大好きだもの、オラトリオの傍より居心地の良い場所はないよ」 「私もフェリがいるとホッとするよ、だからできるだけ一緒にいてくれ」  私を毒から助けたフェリは城内で一目置かれるようになった、私はフェリが自由に王宮内を歩けるように騎士を何人か護衛につけた。そうしてフェリが稀に王宮内を歩いていても、誰もその邪魔をしたり陰口を言わなくなった。そうして、私はフェリとお互いに愛し合いながら、のんびりと王宮で平和に暮らしていった。相変わらず私はフェリ以外には王妃も愛人も作らなかった、弟の子どもの教育は順調でフェリとも仲良くしてくれていた。私は今夜もフェリを王の寝室で抱きしめながら、そうしていつも思っている大事なことをフェリに伝えた。 「フェリ、私は君だけを愛しているよ」 「僕もオラトリオのことが好き、凄く愛してる」

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