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水の中で恋をした(後編)
「雄輝、ラットが来た。くうぅ、これは凄いな、抑えているのが凄く辛い」
「だから離れてろって言っただろ、智之!!」
「物凄く良い匂いだ、雄輝、雄輝」
「今、俺に触るな!! 智之!!」
「キスだけはしてくれる、僕は雄輝のお試しの恋人だろう」
「――――!?」
そう言うと智之は俺に激しくキスしてきた、こっちもヒートを起こしているから、キスだけでも体がうずいて仕方なかった。智之は俺の体のあちこちにキスをした、そうして俺のものをまた咥えて口内に入れていかせた、そして美味しそうに俺の精液を飲み干した。それから俺の服を脱がせて胸にキスをして吸い付いたり、うなじの近くにも何回もキスをされた。俺はその気持ち良い刺激にのみこまれないように理性を保つので必死だった。それは智之も同じだったみたいだ、やがて智之はとても辛そうな声で俺にこう聞いてきた。
「雄輝、選んで」
「えっ、選ぶって何を!?」
「雄輝を抱かせてくれるか、あの離れにいる僕を狙う狼のところへ行けと言うか」
「そんなっ、そんなこと選べない!!」
「このままだったら僕は雄輝を抱くよ、ラットって辛いんだな、ヒートの気持ちが少し分かる」
「そんな!! 智之、止めて!?」
智之は言いたいことを言うと俺のお尻の穴を指でいじりだした、俺はそれにも感じてしまって体がビクビクっとはねた。俺は智之とまだセックスしていいのか分からなかった、でも離れにいる智之が嫌っている連中のところに智之を行かせたくは無かった。智之からまたキスをされて口の中から溶けてしまうような気がした、一方でお尻の穴を智之の指でいじられて凄く気持ちよく感じた。胸を舐められたり乳首を噛まれたりしたら、智之に食べられちゃうように感じた。特におれのものを口に咥えられると駄目で、快感で頭がくらくらした。でも俺は智之をあの嫌がっていた連中、離れにいる男のΩや女には渡したらいけないと思った。だから俺は言った、息も絶え絶えになりながら智之に言った。
「智之、俺を抱いて!! 離れの連中のところになんか行くな!!」
「雄輝!! 嬉しい、ありがとう!! ああ、愛してるよ!! 雄輝!!」
「あっ!! ひぃ!? あああああ!! ああっ!! やぁん!! ああっ!! ああっ!! ああっ!!」
「雄輝を抱いてる!! 夢みたいだ!! ああっ、凄い感じる!! 雄輝、雄輝!! 気持ち良い!?」
「やぁ!! 智之のおっきい!! ああっ!! 気持ち良い!! 気持ち良いよ、智之!! もっと、もっと強く抱いてぇ!!」
「ああ、雄輝!! そんなに締めつけられたら、いっちゃうよ!! いいよね、雄輝!! 雄輝の中に出すよ!!」
俺は智之がそう言った後にお腹の中に熱いものを感じた、智之はコンドームをつけていなかったのだ。俺はこれじゃ妊娠しちゃうと思って、必死に智之にコンドームをつけてと言おうとした。でも智之がキスをしてきて、俺は智之と喋ることができなかった。必死で聞いてと言おうとしたのに、智之からディープキスされた。体中どこも感じまくっていて、俺はろくに言葉も伝えられなかった。それにまた智之が腰を動かしだした、俺の中に出入りする凄く気持ち良いものを感じて、俺は泣きそうになりながらお尻だけの刺激でいってしまった。
「ひぁ!! いっちゃう!? やだぁ!! お尻だけでいっちゃう!! ああっ!! ああっ!? あああああっ!!」
「雄輝、可愛いよ。凄く可愛い、好き、大好き、雄輝だけを愛してる、だから僕だけを愛して!! 浮気しちゃ駄目だよ!!」
「ひぁあ!! また智之が動いて!! ああっ!! 駄目っ!! 智之!!! つけて!! あんっ!! ちゃんとつけてよ!! やぁぁ!! 智之、つけてよ!?」
「可愛いよ、雄輝。何を言ってるのかは分からないけど、とにかく可愛い、雄輝。またいきそうだ、ああっ、雄輝の中が締めつけてくる!!」
「やぁ!? 駄目!! 智之、いっちゃ駄目ぇ!! はぁ、ああっ!! だから!! つけて!! やぁん、智之!! らめぇ、俺!! 妊娠しちゃうぅ!!」
「雄輝が妊娠する!! 僕の子どもを孕むのか!? 大歓迎だ!! 太刀川家の新しい跡取り、そして僕と雄輝の可愛い子ども!! 最高だ、いっちゃうよ!!」
俺は体の中の子宮が下りてくるような感じがした、だから智之に中だしして欲しくなかったのに、智之は俺との子どもが欲しいようだった。だから智之は最初からコンドームをつけなかったのだ、俺はそれに気がついたがどうしようもなかった。俺はただ智之の前で両足を開いてお尻の穴を突かれまくっていた、入りきらない智之の精子が零れてくるのを感じた。俺と智之との子ども、俺は現実感が無くて、それに凄い快感どんどんくるものだから、ただ悲鳴をあげながら智之に縋りついていた。それから何度も何度も、何日も何日も、俺のヒートが終わるまで俺は智之に抱かれて悲鳴を上げ続けた。それから何日経ったのか分からないが、俺はやっと正気で目が覚めた。体は綺麗に拭いてあって、服もきちんと着ていた、俺は智之を探しに部屋を出た。
「智之、どこだ!!」
「あらっ、雄輝ちゃん。そんなに怒ってどうしたの?」
「あっ、おばさん。お邪魔してます、智之はどこにいますか?」
「ふふっ、さっきプールの辺りで見かけたわよ」
「ありがとうございます、行ってみます!!」
「いいえ、どういたしまして」
それから俺はプールのところへ行ってみた、確かに智之がプールを見ながら一人で立っていた。俺は勝手に中だしされて怒っていたから、智之の名前を呼びながらこっちに振り向かせた。そうしたら智之は泣きそうな顔をしていた、よく見ると体も震えていて俺に怯えているようだった、顔色も悪くて今にも倒れそうに真っ青な顔をしていた。俺は智之が何か病気なんじゃないかって思って、この家のお抱えの医者のところに連れていこうとした。でも智之は首を振ってプールの前から動かなかった、そして智之は震えた声でこう言いだした。
「お試しの恋人は失格だろ、僕」
「ああ、お試しの恋人にしてやりすぎだ!!」
「それじゃ、僕を捨てるの? 雄輝?」
「捨てないけど、とりあえず一発くらい殴らせろ!!」
「いいよ、何度でも殴って、でも僕は後悔はしていない」
「このやろう、歯ぁ食いしばれ!!」
俺は宣言通りに智之の顔を一発ぶん殴った、そうしたら智之はよろめいてプールに落ちた。俺は慌てて服や靴を脱いで冷たいプールに飛び込んだが、よく考えたらもう俺たちは成長していて、このプールに落ちても足で立てるくらいの深さなのだった。プールの中で立ち上がった智之は、全裸で飛び込んできた俺を見て笑った。それは俺のことが愛おしくてたまらない、そんな優しくて穏やかな笑顔だった。だが次の瞬間には智之は早くプールから上がって、俺に服を着るように言った。だからそうしていたら、離れの連中がそろってやってきた。
「まぁ、智之様。ずぶ濡れですわ、頬も腫れていらっしゃいます」
「どうぞ、離れのお風呂をお使いください」
「頬の手当を、そして今日こそ私は良いお返事が聞きたいですわ」
「僕もそうです、でもまず智之様の着替えと手当を」
「今日は逃げずに話を聞いてくださいませ、そろそろはっきりとしたいのです」
智之は離れの連中に取り囲まれて動けなくなった、俺は話は後ですることにしてとりあえず風呂に入ることにした。そうして風呂まで歩いているとお腹が痛くなってきた、トイレの時とは違う痛みだった子宮が痛いような感じだった。俺はお腹が痛くて歩けなくなって、その場に蹲っていた。そうしたら智之のお父さんが俺を抱き上げてくれた、そして俺がお腹が痛いと言うとすぐにお抱えの医者のところに俺を連れていった。俺は横になって温かくして安静にするように言われた、そして初期過ぎて正式な検査ができないが、もしかしたら妊娠の可能性があると言われた。それを聞いた智之のお父さんは、医務室の外に飛び出していった。
「この馬鹿息子!! さぁ、雄輝くんに謝れ!!」
「なっ、なんですかお父さん。一体、何が起こったのですか!?」
「雄輝くんに妊娠の可能性があるそうだ、相手はお前だろう!! この馬鹿息子!!」
「え? 雄輝が妊娠!! 本当に!! 本当なの!!」
「まだ初期過ぎて検査ができん、でもお腹が痛くて雄輝くんは蹲っていたぞ」
「雄輝、ごめんなさい!! ごめん、僕が全部悪い、ごめんなさい!!」
俺は智之にそれから謝り倒された、でも俺も言いたいことが色々あったから、そんなに簡単に智之を許してやらなかった。それに俺に妊娠の可能性があると聞いて、そっちの方がびっくりだった。本当に妊娠していたら高校を休んで、この子を産んでやらなくてはならなかった。俺の大切な子どもだ、決して堕胎しようとは考えなかった。母さんや父さんに怒られるかもしれないが、俺はせっかく子どもができたのなら産みたかった。そうして俺はとても丁重に扱われて、お腹の症状が落ち着いたら自分の家に帰ることになった。
「母さん、父さん。俺、妊娠したかもしれない。もしそうなら、俺はこの子を産みたい」
「まぁ、その子のお父さんは智之くん?」
「そうなのか、雄輝?」
「うん、もし妊娠してたらそうだよ。ねぇ、俺この子を産んでもいい? 出産費用とかは働きだしたら後から返すよ」
「何を言ってるの、もしそうだったら心配することはないわ」
「ああ、智之くんの子どもだったら、安心して産むといい」
「母さん、父さん、ごめん。迷惑をかける」
「あらあら、孫が産まれるかもしれないのに迷惑なんてないわ」
「そうだ、もし妊娠していたら俺の孫だ、とても楽しみだな」
そうして俺はそのまま気をつけながら学校に通った、学校ではもちろん智之が話しかけてきた。でも俺はまだ怒り足りなかったから無視してやった、少なくとも妊娠の結果が分かるまでは相手にしてやらなかった。智之はいろんなことを言ってきたが全部無視した、智之の存在がいないように扱ってやった。しばらくすると智之は諦めたのか、俺に話しかけてこなくなった。でも俺のいるところに必ずいて俺を見守っていた。そんなことをしている間に五週間が経って、俺は久しぶりに太刀川の家の医務室を訪れた。そうして尿検査やエコー検査で俺が妊娠していることが正式に分かった、そうして俺は智之の部屋に行った、智之は驚き慌てて俺を出迎えた。
「智之!! 俺は妊娠したぞ、コンドームをつけなかったお前のせいだ!!」
「雄輝が妊娠!! 僕と雄輝の子ども!! ああ、なんて嬉しいんだ!!」
「反省してないのか、智之!! お前のせいで子どもができたんだぞ!!」
「反省はしてる、雄輝の気持ちを無視した。でも後悔はしていない、僕は雄輝との子どもが欲しかった!!」
「なんだ、子ども目当てに俺を抱いたのか!?」
「違う!! 雄輝が好きだから、大好きだから、愛してるから抱いたんだ。そして俺のものにしたくて、コンドームはつけなかった。俺と雄輝の子どもができれば、俺は正式な恋人だろ!!」
俺は子どもは俺が信用できる人と育てる、智之の手は借りないと言ったら、智之が泣いて俺の足に縋りついてきた。智之は俺を何度も愛してると言って、俺の足にキスを繰り返した。土下座して謝りながらキスを繰り返した。俺はコンドームを使わず勝手に俺を妊娠させた、そんな智之にまだ怒っていた、だからもう一カ月無視してやることにした。俺は智之を無視して智之のお母さんとお父さんのところへ行った、智之はついてきたが障子を閉めて、部屋には入れてやらなかった。そうして俺は智之のお母さんとお父さんに妊娠を報告して、それから頼みたいことを打ち明けた。
「おばさん、おじさん、俺は智之の子を妊娠したんだ。だから図々しいけど、頼みたいことがあるんだ」
「まぁ、嬉しいわ。孫の顔が見られるのね!! それで、頼みたいことはなぁに?」
「何でも言ってくれ、太刀川家の跡取りだ。どんな願いでも叶えよう」
「この辺りで一番良い産婦人科で俺はこの子を産みたい、だからおばさんとおじさんに紹介してほしい」
「そんなことは当たり前よ、うちの馬鹿息子のせいなんだから、最高の病院を紹介するわ」
「うむ、一番良い病院の一番良い部屋を用意しておこう」
「ありがとう、おばさん、おじさん。凄く嬉しい、申し訳ないけど頼りにしていい?」
「こんなおばさんで良かったら、いつでも頼って」
「私だって太刀川家の当主だ、できることは何でもしよう。お金の心配もしなくていい」
それから俺は妊娠が目立つようになるまでは高校に通い続けた、おばさんとおじさんが紹介してくれた病院にもいった、そしてつわりが酷かったから時々高校では授業を抜け出して吐きまくった。智之はそんな俺を心配そうにずっと見ていた、そして俺に時間があったら謝って愛してるんだと言い続けた。俺がヒートなのにそばを離れないでラットになって、それに妊娠を狙ってコンドームを使わなかった、そんな勝手な智之に俺はまだ怒っていた。でも妊婦が怒ってばかりいたら体に良くないから、一カ月が過ぎるまでは智之のことは考えないように、無視して俺はこの子のことと受験のことを考えていた、そうしていたらあっという間に一カ月が経った。
「智之、今度こそ反省したか?」
「反省してる!! 今度は雄輝の気持ちを、絶対に無視したりしない!!」
「それなら許してやる、そしてお前も俺に協力しろ」
「ああ、何でもするよ!! 雄輝、愛してる。僕を本物の恋人にしてくれる?」
「二か月の間、俺を諦めなかったのに免じて、智之は俺の本物の恋人にする」
「僕は二か月が十年でも諦めないよ、雄輝のことを愛してるから絶対に諦めたりしない。ああ、雄輝の本物の恋人だ、キスしてもいい?」
俺は妊娠しているからキス以上はするなよっと智之に言って、仲直りのキスをしたのだがまたディープキスで妊娠してるのに発情しそうになった。それから智之に俺のうなじを噛んでと言ったら、智之は怯えながらあのセックスをした日に噛んだと白状した。でも俺ももう怒るのは疲れていたので、智之をまた無視したりはしなかった。ただ勝手に人を番にするなよと言って、俺は思いっきり智之を殴っておいた。それから俺は学校を休学して、妊婦として家で過ごすようになった。智之は毎日うちに泊まりに来た、そうして俺のお腹に頬ずりしては幸せそうにしていた、俺も本当に幸せだなと思って智之に笑いかけた。
「どんな子どもでも愛してやろうな、智之」
「雄輝の子どもだよ、愛さないわけがない」
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