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ものすごい存在感
「透也、キスしたい……」
「――っ、大智っ!」
ぼそっと呟いた言葉にものすごい反応を返されて、驚いて顔を上げると瞬く間に唇が重なってきた。
さっきまでとは違う噛み付くような激しいキスに、息苦しさを感じる。
でもそれ以上に、激しく求められて嬉しさしかない。
透也のその余裕のなさが嬉しくて仕方がないんだ。
しばらく絡み合って唇が離れていって、俺は口内に残る唾液をコクリと飲み込んだ。
俺のなのか、それとも透也のなのかもわからないけれど、気にならないどころか、愛おしさすら募る。
嬉しくて思わず笑顔になると、
「ああ、大智……あんまり可愛いことをしないでください……。我慢できなくなる」
と苦しげな表情で俺を抱きしめる。
「でも、金曜日まで我慢なんだろ?」
「はい。でも……それまで、毎日触れさせてくださいね」
「毎日?」
「ええ。練習です。俺も大智も初めてですから……」
「練習……そうだな。ああ、わかったよ」
男女の違いはあっても透也はとっくに経験済みだと思っていたからな。
お互いに初めてなら練習はしといたほうがいいに決まってる。
「――っ、ああ、もうっ。素直すぎて心配になります」
「んっ? どういう意味だ?」
「なんでもないです。汗をかいたでしょう。シャワー浴びましょうか? 先に使っていいですよ」
そう優しく言ってくれたけれど、ちょっと難しいかも……。
そのまま動けずにいると優しい声が降ってきた。
「大智? どうかしました?」
「悪いっ。ちょっと腰が抜けたみたいで立てないんだ。だから、先に――わっ!!」
「大丈夫、俺がお世話しますよ」
先に入ってと言おうとしたのに、軽々と抱き上げられる。
しかもその表情はとてつもなく嬉しそうだ。
お互いに裸なのに、お姫さまみたいに抱っこされてる俺って……ちょっとどころじゃなく恥ずかしい。
「なんか俺……間抜けじゃないか?」
「ふふっ。そんなことないですよ。大智のこんな艶かしい姿が見られるのも、恋人の特権ですよ」
「艶かしいって……」
そんなことを言われるなんて初めてで、どう返していいかわからなくなる。
「そんなところも可愛いですよ」
愛おしそうに俺を抱きしめるその温もりに安心する。
二人で入っても余裕で広い風呂場に入るとお湯はすでに抜かれていて、あのバニラの香りだけがほんのりと香っていた。
「お湯溜めましょうか?」
「いや、もう遅くなるし今日はシャワーだけでいいよ」
「じゃあ、明日からは一緒に入りましょうね。入浴剤もまだまだたっぷりありますから」
「これも練習なのか?」
「ふふっ、そうですね。というより俺が一緒に入って髪も身体も洗ってあげたいだけです。俺たち、恋人ですからいいですよね?」
そう言われたら断る理由もない。
「じゃあ、頼むよ」
正直言って、髪も身体も洗ってもらえるなら楽でいい。
「はい。わかりました」
嬉しそうに抱きかかえられたまま、シャワーをかけられる。
ちょうどいい温度をかけられているだけでなんだか瞼が重くなってくる。
「ふふっ。眠たそうですね。寝てていいですよ」
「でも……」
「大丈夫です。俺に任せておいてください」
今日はずっと話さなきゃって気を張ってた上に、溜まっていたものを久しぶりに出して身体が疲れてしまっていたのかもしれない。
俺は結局睡魔に負けて、透也に抱きかかえられたまま眠ってしまっていた。
「う……んっ」
気がつくと俺は透也のベッドで眠っていた。
隣にいる透也はすやすやと熟睡しているのに、絶対に離さないぞと言わんばかりに俺をギュッと抱きしめている。
そんなにしっかりと抱きしめなくても、俺はどこにも行かないのに。
でも、それが愛されている感じがしてすごく嬉しい。
ああ、これが俺が欲しかったものなんだな……。
ずっと誰かに愛されたいって願っていた。
その誰かは透也のことだったんだって、今ようやくわかった。
そういえば、俺……昨日風呂場からの記憶がない。
――寝てていいですよ
そう言われて必死に起きようとしたけれど、どうしても我慢できなかったんだ。
でも……身体もさっぱりしているし、服も着替えてる。
全部透也がやってくれたんだ。
仕事帰りで疲れていただろうに。
食事も用意してくれて、俺の話も聞いてくれて……そして、あんなことまで……。
昨日の透也との裸でのことを思い出して、恥ずかしくなる。
でもあんなに気持ちよかったの、初めてだったな……。
自分でする時だって義務的だったのに。
透也の手に触れられるだけでどこもかしこも感じるんだから本当に不思議だ。
透也は、俺が透也を好きだから感じるんだって言っていたけど、透也も俺の手で感じてくれるんだろうか?
ふとそんな思いが込み上げてきて、試してみたくなった。
透也に目をやればまだスヤスヤと眠っている。
寝ていても感じるかな?
俺はそっと手を伸ばし、透也の昂りに触れてみた。
通常のサイズはどれくらいなんだろう……そんな興味を持った俺の手に当たったのは、とてつもなく熱くて硬いおっきなモノ。
えっ? これ……。
うそっ! 勃ってる?
これ、もしかして朝勃ちってやつ?
こんなに大きくなるもの?
あまりにもすごい存在感に思わずきゅっと握ると、透也の身体がびくりと震えた。
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