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突然の告白

「う……んっ」 「大智? 目が覚めましたか?」 「えっ……な、ゴホッ、ゴホッ」 「ああ、無理しないでください。今、水飲ませますから」 そういえば、随分と喉が渇いている。 透也は俺の身体を抱きしめていた腕を片方伸ばし、ベッド脇の小さな冷蔵庫を開けペットボトルを取り出した。 軽々と蓋を開けた透也は、なぜかそれを自分の口に含んだ。 ああ、そうか。 先に飲むんだな。 喉が渇いているのは透也も同じだもんな。 そう思っていると、透也はそのまま俺の唇に重ね合わせてきた。 「んっ……」 突然のことに驚いたけれど、じわりじわりと水が注がれてくる。 ああ、俺に飲ませようと含んでくれていたのか……。 冷たすぎない水がゆっくりと俺の身体に染み渡っていく。 今まで飲んだ数えきれないほどの水の中で、どれよりも美味しく感じる。 「まだ飲みますか?」 俺が頷くと同じようにもう一度水を飲ませてくれた。 よほど喉が渇いていたのか、結局三回もお願いしてしまって申し訳なかったけれど、透也はずっと笑顔のままだった。 「ありがとう」 「いえ、俺が無理をさせて意識を飛ばさせてしまったんで……」 「えっ? 意識? ――っ!!!」 そう聞き返した瞬間、意識を失うまでの出来事が一気に頭の中に甦ってきた。 「思い出しましたか?」 「あ、あの……俺……っ」 「もう大智が可愛すぎて、可愛すぎてあれは抑えるなんて無理です」 「そんな、可愛いなんて……」 でも、もっと……とかは言ってた気がする。 初めてのくせにねだるなんて恥ずかしすぎる。 思わず透也の胸元に顔を隠すと、 「大智とせっかく一緒にいられる時間なのに、可愛い顔を隠さないでください」 と髪にキスされる。 ずっと優しかった透也だけど、さらに優しく、甘くなった気がする。 「大智とセックスしてわかりました」 「えっ? 何が?」 何かおかしなところがあった? そういえば、感じすぎだったかも。 透也に触れられるところ全てが気持ち良すぎて挿入られただけでイっちゃってたし……っ。 「大智、心の声が漏れてますよ」 「――っ、うそっ、恥ずかしいっ!」 慌てて口を押さえても意味がないのに、ついつ押さえてしまう。 きっと顔も赤くなっているに違いない。 「おかしなところなんて何もないですから、心配しないでください。俺がわかったのは、もう大智とは絶対に離れられないってことです」 「それって……」 「初めての挿入であんなに感じてもらえるなんて、普通ではありえないことなんですよ。あんなに感じるのは唯一無二の相手だけです」 「唯一、無二……」 「そうです。俺たちは離れていたらダメになってしまいます。だから絶対にここに戻ってきますから、安心してください」 「透也……」 まだ決定事項でもないのに、透也の言葉に安心するのは絶対的な信頼があるからだ。 「ありがとう。俺……待ってるよ。だから、『きゅるる――っ』」 「ふふっ。今の……」 「――っ、なんで、こんな時に……」 「すみません、俺のせいです。連れ帰ってそのまま大智さんを頂いちゃったので、食事まだでしたもんね。何か、食べやすいものを作ってきます」 そう言って、透也が俺をベッドに残して起き上がると、一気に寂しさが込み上げてくる。 思わず袖を掴んでしまうと、 「ふふっ。大丈夫です、ご飯を作ってくるだけですから。すぐに戻ってきますよ。ここでもう少し休んでてください」 そう言って、俺のほっぺたにちゅっと軽く唇を重ねた。 「俺の代わりにこれを置いておきますから、お利口さんに待っていてくださいね」 そう言って、透也が着ていたワイシャツを俺に渡して寝室を出て行ってしまった。 ご飯作る時間も待てないと思われてしまって、まるで子どもみたいだ。 俺の方が5つも年上なのに。 でも、貸してくれた透也のワイシャツを抱きしめるとふわりと透也の匂いがして落ち着く。 俺はそのワイシャツを抱きしめながら、眠ってしまっていた。 「――ち、大智」 「うん……っ」 「ふふっ。ご飯ができましたよ」 抱きしめていたはずのワイシャツがいつの間にか透也本人と代わっていて驚いた。 「あれ? いつのまに?」 「ふふっ。30分くらい前ですね。大智の可愛い寝顔を見てました」 「寝顔って……」 よだれとか出てなかったかなと心配になる。 「ふふっ。可愛いって言ったでしょう? 俺の渡したワイシャツを嬉しそうに抱きしめていたのも可愛かったんですけど、俺以外のものに嬉しそうに抱きついているのを見るのが嫌で交代しておきました」 堂々とそんなことを言ってくる。 透也が自分のワイシャツに嫉妬するなんて……っ、なんか可愛い。 「食事、ベッドに運んできますね」 「えっ、いいよ。あっちに行くか――ったたっ!!」 起きあがろうとした途端、あらぬ場所に痛みが走った。 「ああ、無理しないでください。今日一日は動けないと思いますから……」 「えっ? でも、俺……仕事が……っ」 「それなら、心配しないでください。さっき高遠さんに連絡して、今日はもうお休みすると伝えておきましたから」 「ええっ!! 高遠くんに?」 そういえば、知り合いとは聞いていたけど、まさかそんな連絡をするなんて……。 「心配しなくて大丈夫ですよ。高遠さんとは仕事以外の付き合いの方が長いんで」 「それって、どういう意味?」 「ふふっ。大智さんになら教えてもいいって言われてますから言いますけど、実は高遠さん……兄貴の彼氏なんですよ」 「――っ!!! ええっ??? お兄さん、の彼氏、って……ええっ? なっ――、はっ?」 突然の爆弾発言に俺の頭の中は混乱しまくっていた。

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