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月と太陽は交わらない(前編)

「聞いてくれ、健一、また陽司に好きなΩの子をとられた!!」 「へぇ、またか。これで何人目だっけ?」 「幼稚園の頃から数えて、三十三人目だ!!」 「おめでとう、連続失恋記録を更新だな」 「慰めの言葉くらいはないのか、親友!!」 「あー、凄く辛かったね。可哀そうによしよし、頑張ったのにね」  僕、古島葉月(ふるしまはづき)αは好きになっていたΩを、一つ下の学年の似鳥陽司(にとりようじ)αにとられてしまった。『陽司さんが僕は好きです、セックスも凄く気持ち良かったんです』と言われて振られた。僕はそれを親友のαである野田健一(のだけんいち)に愚痴っていた、健一とは高校になってから出会ったが何故か気が合いすぐに親友になれた、親友になってからは何でも話すことができる貴重な人間だった。そして、健一は冷静で分析力が高いから、僕はどうして振られたのか健一に聞いてみようとした。すると僕の宿敵の似鳥陽司が部屋に入ってきた、そうして僕に話しかけた。 「……すまん、葉月」 「すまんで済むか!? 陽司はどうしてすぐ僕が好きになったΩをとるんだ!!」 「俺からあんな奴らには絶対に迫ってねぇ、むしろ相手がヒートを起こして誘ってきたんだ」 「うっ、ヒートなら仕方がない。でももう俺の好きなΩをとるな!!」 「あっちから誘ってくるんだ、俺から手を出したことは一度もない」 「そうか、それであの子とは付き合うのか?」 「いや、付き合ってくれと言われたが断った」 「付き合わないのか!? またか!!」  僕らいつもいつもこうなのだ、もう一体何回このパターンを繰り返したか分からない。僕が好きなΩができる、陽司がそのΩに惚れられる、僕は振られるが陽司はそのΩと付き合わないのだ。ちなみに陽司に振られたΩに声をかけても、僕とは付き合いたくない陽司が良いと言われるのだ。陽司とは幼稚園の頃からの幼馴染だが、このパターンのせいで友達ですらなかった。むしろ宿敵といって良かった、だが陽司も悪い奴ではない、いつも僕に陽司は謝ってきた。だから、僕も宿敵とは言っても陽司を憎みきれないのだ。 「はぁ、陽司。生徒会引退の手伝いをしてくれ」 「ああ、分かった」 「とうとう生徒会長の引退だ、受験に専念できるな」 「あっ、それと俺も生徒会を辞める」 「そうか、陽司も生徒会を辞めるのか。って何でだ!?」 「もうここにいる用事がなくなるからだ」  陽司が生徒会を辞めるというのを、仕方がないから僕は了承した。皆から選ばれる生徒会長と副会長は別にして、生徒会役員は特に辞めるのに理由はいらない、次の生徒会長が役員になってくれそうな生徒を選べばいいのだ。もう生徒会を引退する僕には、陽司に生徒会を続けるように説得する理由が無かった。それよりもこれからは受験勉強だった、僕は今のところ狙っている大学の合格圏内だが、勉強を少しサボればそこから落ちる可能性もあった。僕はもう陽司のことなんて忘れて、それよりも健一と受験について話し合った。 「健一も僕と同じ大学だったな、それに成績も合格圏内だろう」 「ああ、今のところ合格圏内だ」 「それなら油断さえしなければ、同じ大学に通えるな。楽しみだ」 「僕も楽しみだよ、大学でいくつか資格をとっておきたい」 「それは僕もだ、今の時代は資格が大事だからな」 「葉月は家の事業には、全く関わらないのか?」 「僕は次男だからな、自由にさせて貰える」 「そうか、それなら資格はとっておかないとな」  そうやって健一とお喋りをしながら、僕たちは生徒会引退の為の資料をまとめていった。意外なことだが陽司も僕たちのことを真剣に手伝ってくれた、そうして健一は塾の時間があるからと先に帰った。僕はまとめる資料が多かったので、一旦先生のところに行って、放課後に遅くまで残る許可をとった。そしてまた帰ってきて資料をまとめ始めた、放課後も普通の生徒なら帰る時間になった、だから僕は陽司に先に帰るように言った。そうしたら、陽司はドアのところに行って内側から鍵をかけた、そうしてから僕に信じられないことを言ってきた。 「葉月、抱かせてくれ」 「はぁ!? いきなり何を言ってるんだ、陽司!!」 「もうすぐ葉月は生徒会からいなくなる、だから今のうちに抱かせてくれ」 「いや、言っていることの意味が全く分からない!?」 「チッ、もういい。葉月、お前を抱かせてもらう」 「なっ、何をする!? 放せ!! 僕を縛るな!?」 「制服が邪魔だ!!」 「止めろ!? おいっ、服を破くな!!」  陽司はいきなり僕に訳の分からないことを言ってきた、そうしてから僕が断ったら力ずくで僕の手をねじりあげて、僕の背中の後ろで僕の制服のネクタイで縛った。そうしてから陽司は僕のシャツを破ったからボタンがいくつも飛んでいった、ズボンも下着も脱がされて僕はほとんど裸にされた。そうしてから陽司は僕のものをフェラし始めた、それと同時にどこに持っていたのかローションを使って、僕のお尻の穴に指を入れてほぐし始めた。僕は抵抗したかったが陽司はフェラがとても上手かった、ほんの少し舐められるだけで僕はいってしまった。でも、陽司は僕の中がほぐれるまでフェラを続けた。ヤバイ、このままじゃ本当に陽司に抱かれると、そう思って僕は逃げようとした。 「駄目だ、葉月。逃がさない、ずっと好きだったんだ。だから抱かせろ」 「なっ、何を!? あっ、もう僕のものを舐めるな!? ああっ!!」 「何度でもいっていい、全部俺が飲んでやる」 「よっ、陽司!? 正気か!! んんっ、やぁ!! ああっ!!」 「たまってたのか、濃いな。さて、それじゃ俺のをそろそろ入れる」 「やっ、止めろ!! それは嫌だ!! 嫌だと言っている!! 止めっ、あああああっ!!」 「葉月ゆっくりと呼吸をして、体の力をぬくんだ」 「あっ、ああっ!! そんな、こんなの嘘だ!! ひっ!? ああっ!!」  僕は体の中に陽司のものが入ってきて、その大きさに息が上手くできなくなった。そうしていたら陽司がキスしてきて、息を吹き込まれた。僕はお尻が壊れてしまうような痛みに涙が出てきた、そしたら陽司が僕の涙を舌で舐めとった。僕は陽司と何故こんなことをしているのか分からなかった、陽司は僕のΩをとっていった奴だがまさか僕にまで手を出すとは思わなかった。そうして僕の中に入ってきた陽司は、ゆっくりと動きだした。時々陽司のものが僕の気持ち良いところに当たって僕は体がはねた、そしたら陽司は僕の気持ち良いところばかりを陽司のものでこすった。 「やあぁ!! ああっ!! ああっ!! 止めろ、陽司!! ひっ!? やぁ、気持ち良い!! 嫌だ!! 早く抜いて、もうこんなことしたくない!! ああっ!!」 「葉月の中が締めつけてきて凄く気持ち良い、葉月が俺は好きだ、大好きだ、愛してる」 「うっ、嘘だ!! すっ、好きな相手を強姦なんてするものか!? ああっ!! やあぁ!! お前のはただの欲求不満だ!! あああああっ!!」 「嘘じゃない、葉月が俺は好きだ。ずっと好きだった、小さい頃からずっとだ。ああっ!! 葉月の中が締まって、凄く気持ち良い!! あんなΩたちとは比べ物にならない!!」 「嫌だ、もう嫌だ!! 止めて!! ああっ!! ああっ!! やぁん!! お尻が変だ!! やだやだやだ!! なにかきちゃう!? やぁ、何かっ!! あああああ!!」 「何度も、何度もいってる葉月は可愛い。もっと泣かせたくなる、泣き顔も綺麗で色っぽい。ほらっ、もっとケツを拡げて、俺の精液を飲み込んで!!」  そういって陽司は僕の中に射精した、僕は同時に前をこすっていかされて、それで訳が分からなくなった。陽司のものが僕の中で動く度に悲鳴を上げた、でもこの生徒会室は完璧な防音だった。だから誰にも僕が襲われていることに気がついて貰えなかった、陽司は僕を犯した後に僕が両足を開いて、お尻の穴から精液をたらしているところを携帯で撮っていた。止めろと言ったが陽司は僕の言うことを聞かなかった、そうしてまた僕の中に入ってきて僕を犯した。生徒は帰りなさいと放送があるまで何度も、何度も僕は陽司に犯された。ようやく拘束を解いて貰えると僕は陽司を殴った、そしておしりから流れ出てくる精液をティッシュで拭った、次々と流れ出てきてそれは止まらなかった。 「葉月、ティッシュで栓をしておけ、帰ったら風呂で中の精液をかき出すんだ。それからほらっ、体育用のジャージだ。それを着て今日はもう帰ろう、夜道は危険だ」 「この強姦犯が何を言う!! いたたたたたっ、くぅ!! お前の手は借りない、一人でさっさと帰れ!! この犯罪者!!」 「仕方がない、俺の勝手にするぞ。葉月。」 「やっ、止めろ!! 僕に触るな!? 着替えくらい自分でできる!! 僕に近寄るな!! この犯罪者!!」 「さぁ、帰ろう。葉月、夜道は危ない」 「嫌だ!! 僕の傍に寄るな!? 触るな!? 僕を抱き上げるな!! この犯罪者、自分が犯罪者だという自覚がないのか!?」  結局、僕は陽司に抱きかかえられて家まで帰った。陽司のやつが僕を絶対に離さなかったからだ。僕は自分の家の玄関につくとまた陽司をまた殴った、でも陽司は体が大きくて丈夫だった、僕が殴ったくらいではビクともしなかった。それから僕の家の中にかけこんで、真っ先にお風呂に入って陽司の精液をお尻の穴からかき出した、ティッシュを抜いたらそれはとろりといっぱい流れ落ちてきた。僕は顔が熱くなり恥ずかしくなって、悔しくて泣きながら陽司の精液をかき出した。それから新しいパジャマに着替えて、僕は自分の部屋のベッドで自分の体を抱きしめて泣いた。陽司に犯されたことが悔しくて堪らなかった、そして僕は健一に電話をかけた。 「健一!! 陽司を生徒会役員から首にしろ!! 明日、一番でだ!!」 「いきなり首だなんて、何か遭ったのか?」 「なっ、なんでもない!! ただもう陽司の顔なんて見たくもない!!」 「分かった、明日学校で会おう。葉月」 「いいや、僕はもう自宅学習に切り替える。学校へは絶対に行かない、申し訳ないが生徒会の引継ぎを頼む。健一」 「…………分かった、明日。学校が終わったら、様子を見にそっちに行くからな」  僕は健一と話して少し落ち着いた、そして陽司が僕のことを好きだと言っていたのを思いだした。だがそんな言葉は全く僕には信じられなかった、好きだからといって強姦していいというわけが無かった。次の日の放課後に健一が僕の家に来てくれた、僕は昨日遭ったことを全て健一に話した。そうしたら健一は頭を抱えていた、親友が強姦されたのだから当たり前のことだった。それで健一は昨日塾だからと言って先に帰ったことを詫びてきた、健一は何も悪くないのだから僕はその謝罪を受け取れなかった。でも、健一はこう言いだした。 「いや、僕。陽司が葉月に惚れてるなとは思ってたんだよな、陽司の方に言うつもりがなさそうだから、それなら黙っておいた方が良いと思ってたんだ」 「はぁ!? 陽司が僕に惚れてる!? 嘘だろ!!」 「いやあいつは完璧に葉月に惚れてたよ、その証拠に生徒会室に来るのは葉月がいる時だけ、それにずっと葉月を目で追いかけてた。すまん、やはり僕がそれを言っておくべきだった」 「まさかだろう、あいつが僕に惚れてる? あんなにΩと遊びまわっていたのにか!?」 「うん、絶対に陽司は葉月に惚れてる。いくら葉月から怒られても構われて嬉しそうだったし、僕は陽司が笑っているところなんて、葉月が一緒にいる時以外見たことないよ」 「あんな強姦野郎から惚れられても困る!! 僕はもう絶対に学校には行かないことにする!!」  幸いにも僕の学校は成績さえ良ければ三年生は自宅学習でよかった、だから僕は学校に電話をして自宅学習に切り替えることを伝えておいた。もう似鳥陽司には会いたくも無かった、僕は犬に噛まれたと思って全てを忘れることにした。そうしたら思い出した、陽司がセックスの間に僕の写真を携帯で撮っていた。あれを世間の人に見られたら大変だ、でもだからといって僕からは陽司に会いたくなくて、僕は写真のことも陽司が何か言ってきたら対処すればいいと思った。その晩のことだった、僕は父さんから呼び出された。 「葉月、似鳥家の陽司くんを覚えているか?」 「……覚えています」 「実はな、その陽司くんから葉月に結婚の申し込みがきている」 「はぁ!? 僕はαですよ、陽司もαです。結婚しても子どもはできませんよ!!」 「それがなぁ、似鳥家の後継ぎは妹の子どもにするそうだ。それに似鳥家にうちは借金があってな、葉月さえ良ければこの話を進めたいのだが」 「僕は嫌です、僕は次男ですからいずれ家を出て自活します」 「そうか、それならこの話は断っておこう」 「そうしてください、父さん」  僕は似鳥陽司が結婚を申し込んできたことに驚いた、それからうちが似鳥家に借金があることも知らなかった、でも父が結婚を断ってくれるというので僕は父にそれを任せた。そうして二週間が過ぎた、何事も起こらず僕は自宅学習を続けていた。そうしたら家の中が急にざわざわっと煩くなった、それから人が喧嘩するような音がして僕は緊張した。強盗でも入ったのかもしれないと、僕は慎重に部屋のドアを少しだけ開けた。すると似鳥陽司がスーツを着て立っていた、手には赤いバラの花束があった、そしてそいつはこう言ったのだ。 「俺と結婚してくれ、葉月」

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