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18.致死量分の好きとキス(☆)
俺とリカさんは揃って山頂へ。そのまま小屋の中へと入っていった。夕暮れ時なのもあってか、中は一層薄暗い。
「よいしょっと」
中に入るなりリカさんが布団を敷き始めた。言わずもがなヤるためだ。気まずさからばっと勢いよく目を逸 らす。俺、マジでこれからリカさんと……。
「お待たせ」
「っ!」
抱き締められた。全身がぴたりと重なり合う。
「すっ、すみません! 俺、何もしないで――っ!」
反射的に体が跳ねた。耳があったかい。今のは吐息? ふぅーってされたのか?
「っ!」
チュッ、チュッ、チュッ……。耳にキスされてる。擽 ったい。身を捩 ると一層強く抱き締められた。
「ふふっ、可愛い」
そのまま頭を撫でてきた。~~っ、何だこれ。メチャメチャ甘ったるい。触り方がこれまでのものとはまるで違う。愛されてる。1つ1つの動きに好きが詰まってるっていうか。死ぬほど恥ずかしいけど、やっぱ嬉しくて。
「んっ♡ っ、……はぁ……」
唇が重なる。俺の方からも啄ばんでどんどん深くなっていく。だけど、物足りない。もっと……欲しい。
「っ、舌……」
「吸ってほしい? それとも吸いたい?」
微笑みかけてくる。聖人かってぐらい慈愛に満ち満ちてるのに、むせ返るぐらい色っぽくもあって。
「吸って、……ください」
気付けばそう答えてた。リカさんは妖しく微笑むと俺の肩を抱いて。
「っ!」
そっと布団に押し倒した。俺の頭は枕の上へ。リカさんの銀糸みたいな髪がはらりと落ちて、俺のクリーム色の着物をさらりと撫でた。
「舌、出して」
「はっ、はい……」
下唇の上に舌が乗る。熱い。緊張のせいか舌先がビクビク跳ねてる。これは流石にキモいかも。
「参ったな」
「へっ? んぅ!?」
舌を吸われた。根元まで咥え込んでじゅーーーっっと。
「ふぅ!? んっ、んァ♡」
頭の奥がじーんと痺れていく。ヤバい。気持ちいい。授乳の時みたいだ。今は唾液をリカさんに。ゼロ距離だからか、飲み下す音もよく聞こえる。
「ふぁ……ンっ! んぅんぅ♡♡」
「んぅ……っ」
無我夢中でキスをした。何分ぐらい経っただろう。小屋の中はもう真っ暗だ。
「……っ……」
「んっ……ハァ……っ、……ぁ……」
唇が離れていく。けど、リカさんは変わらず俺に覆い被さったままだ。近い。今更だけど超近い。なのに、表情は見て取れない。部屋が真っ暗なせいだ。くそっ、気になる。リカさん……今どんな顔をして。
「ごめんね。こんなに長くやるもんじゃないよね」
「あっ、いや……俺もシたかったんで」
「本当に?」
「はい」
「本当の本当に?」
「~~っ、本当ですってば!」
伝わらない。凄く不安げだ。何でだ? ……ああ! そうか。俺の心は読めないんだっけ。
「心読めないの、やっぱ不便ですよね」
思えば相当ストレスだよな。これまではきっと正解を知った上で、トラブルを回避したり、問題を解決してきたんだろうから。
「ふふっ、確かにもどかしくはあるね。でも、その度に実感することが出来るから……まぁ、いいのかなって」
「何を?」
その時、月明かりが差し込んできた。銀色の髪が淡く照らされて、はにかみ笑顔のリカさんと目が合う。
「君を好きなんだってことを」
「っ!!??」
とんでもないラブエクスプロージョンをかましてきた。~~っ、ほんっっとこの手の奴らは!!!
「嬉しくて堪らないよ。優太 と普通の恋愛が出来ることが」
「っ!? う゛ぐ……っ」
またまた大爆発。もう俺の身がもたない。
「続き、シてもいいかな?」
「っ!」
そうだ。こっからが本番だった。もう後には引けないし、俺も絶対に引きたくないし。
「…………っ」
俺は辛々頷いた。返事は出来そうにない。そんな余裕はもうない。
「ありがとう」
白い手が紺色の帯にかかる。リカさんに着付けてもらった着物が、リカさんの手によってしゅるっしゅるっと音を立てて解かれていく。俺の全部がリカさんの思い通りになってる。ヤバい。すごくいい。早く抱かれたい。貰ってほしい。俺の全部をリカさんに。
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